差し歯や詰め物が黄ばんできた!人工歯を白くすることはできるの?
こういった疑問にお答えします。
差し歯や詰め物などの人工歯がある方のお悩みとして、差し歯や詰め物の方が自分の歯と比べて黄色っぽく見えてきていたり、逆に自分の歯の方が黄ばんでいて、人工歯の方が白く浮いて見えてきてしまっていたりすることがあります。
できることなら、ムラのない白くて美しい歯にしたいですよね。
そのためにはどうしたら良いのか、一緒に確認してきましょう!
※記事は5分で読み終わります。
色ムラが出る理由
人工歯が黄ばんで見える場合
差し歯には大きくわけて2つ種類があります。
ひとつ目は保険が適用される「保険治療の差し歯」です。
保険治療の差し歯は、お金の負担を少なくして作ることができます。
保険治療で使われている差し歯はプラスチック製の素材でできており、主に「レジン」という素材が使われています。
レジンには吸水性があるため、時間の経過とともに劣化して変色していきます。
差し歯を作ったばかりの頃は真っ白でも、2~3年経つと徐々に黄ばみが目立つようになってきます。
詰め物の場合でも、笑った時に他人から見える範囲ではレジンが使われていることが多いですが、虫歯になりやすい奥歯などの治療では銀歯が使われることがあります。
銀歯は金属なので強度が強いです。
ただ、時間の経過とともに金属がサビて溶けだし、歯や歯茎の変色が起こりやすくなります。
そのため保険治療で治した場合は、その部分の素材の劣化により、変色して黄ばんだりくすんだりして見えるようになります。
人工歯の方が白く見える場合
逆に、差し歯や詰め物の方が自分の歯よりも白く浮いて見えてくる場合もあります。
その場合は、「自費治療の差し歯」で作られていることがほとんどです。
自費治療の差し歯は保険が適用されないため、治療費の負担は高くなります。
しかし、自費治療の差し歯には吸水性のない「セラミック」が使われているため、歯そのものが黄ばんだり変色したりすることがありません。
それにより、逆に自分の歯の方に汚れがたまって黄ばんで見え、セラミックの方が白く浮いて見えてしまうということになります。
人工歯にホワイトニングは効果がない
では気になる歯の黄ばみはどうしたらいいのかについてですが、ホワイトニングが一番手っ取り早い方法では?と考える方が多いと思います。
しかし、ホワイトニングは天然歯に対してのみ効果があるものになります。
ホワイトニングで使う溶剤は、自然に生えてきた天然歯に対してのみ反応して効果を発揮するため、人工的に作れた歯に対しては効果が薄くなります。
これは歯医者さんで行うホワイトニングでも、サロンなどで行うセルフホワイトニングでも、この世にあるどのホワイトニングにも共通していることです。
ただ、全く効果がないのかと言われれば、そうとも限りません。
歯医者さんで行っているクリーニングや、セルフホワイトニングサロンのホワイトニングによって、歯の表面についた汚れは取り除くことができます。
日々の飲食や喫煙によって、歯の表面にはステインやタバコのヤニなどが付着しています。
毎日の歯磨きでは落としきれていない汚れも、クリーニングすることで効果的に取りのぞいて細菌を除去し、ツヤのある歯にすることができます。
人工歯はもともと作られた時の色以上に白くなることはありませんが、黄ばみの原因が表面に付着したステインやヤニの場合は黄ばみが改善されることもあります。
また、人工歯の方が自分の歯よりも白く浮いて見えるという場合は、自分の歯をホワイトニングすることで改善される場合がほとんどなので、ホワイトニングする価値は十分にあります。
人工歯を白くする方法
白くするといっても、どれくらいの白さを求めるかによっても変わってきます。
歯の黄ばみの原因がステインやタバコのヤニなど歯の表面上の汚れによる場合は、歯みがき粉でも効果を期待できる場合もあります。
「ヒドロキシアパタイト」や「ポリリン酸ナトリウム」、「メタリン酸ナトリウム」などの成分が配合されたものがおすすめです。
これらは汚れを効果的に落としやすくする成分にあたるため、毎回の歯みがきで使うことで歯の黄ばみを改善できる場合もあります。
ホワイトニング歯みがき粉についてはこちらの【歯が白くなるは嘘?】市販のホワイトのニング歯みがき粉の正体の記事で詳しく説明しているので、ぜひ合わせて読んでみてください。
歯みがき粉やクリーニングで改善されない場合は、人工歯そのものを白くするしかありません。
その場合、残念ながら自分だけの力でなんとかすることは難しいため、歯医者さんにお願いする必要があります。
経年劣化による人工歯の黄ばみは、どんなにホワイトニングをしたとしても歯そのものが白くなることは決してありません。
差し歯や被せ物は、作成時のあなたの歯の色に合わせて作られます。
そのときのあなたの歯が黄ばんでいるようならその色に合わせて作られるので、人工歯も黄ばんだ色で作られます。
そのため、差し歯や詰め物をした後でホワイトニングをした際に自分の歯ばかりが白くなって、人工歯との色の差が出てくることがあります。
全体的に統一感のある白くて美しい歯にしたいという方は、先にホワイトニングをして自分の歯が理想の白さになったタイミングで差し歯や詰め物をその色に合わせて作り替える方が自然な仕上がりになります。
ホワイトニングする前に差し歯や被せ物をあらかじめ白く作るという方もいますが、ホワイトニングの効果や結果は歯の健康状態や年齢、今までの生活習慣によっても大きく左右し、個人差がとても大きいものになります。
ホワイトニングは、基本的には自然に生えている歯であればどんな歯でも白くはなりますが、実際にやってみないとどれくらい白くなるかが分からず、場合によっては理想の白さになれないこともあるので、人工歯を作る前にホワイトニングすることをおすすめします。
ホワイトニングで一気にトーンアップしたあとは、差し歯や詰め物の再作製になりますが、ここで再び保険適用のものにすると、数年後にも同じように人工的に作った歯だけが劣化してしまいます。
くり返しのお伝えになりますが、何度ホワイトニングで白くしたとしても、差し歯や詰め物は歯そのものを白くトーンアップすることはできません。
クリーニングで着色汚れは落とせても、作製した色以上に白くすることはできないため、長い目で見ると保険適用のものではなく、耐久性にも優れているセラミックで再作製することが理想的です。
セラミックは滑らかで汚れや色素が沈着しにくく、年数が経っても作製した当初の美しさを保つことができます。
周りの歯に合わせて細かく色調を合わせることができるため、ホワイトニングでトーンアップした歯に合わせて自然な白さに合わせることができます。
またレジンで修復した部分は、ラミネートべニアという方法が効果的です。
ラミネートべニアはセラミックの薄いシェルを歯に貼り付ける方法で、歯もそれほどたくさん削りません。
こちらも汚れが付きにくくなり、耐久性に優れた素材です。
このように、ホワイトニングで白くした歯には、セラミックを使った素材で再作製することがおすすめです。
その後は歯科医院でのホワイトニングや、セルフホワイトニングなどを行うことで白さをより持続しやすくなります。
どのホワイトニングをするといいのかイマイチわからないという方は、こちらの【どこでやるのがいいの?】ホワイトニングの種類と違いの記事も参考にご覧ください!
石川県歯科衛生士専門学校卒業
フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。
また歯科衛生士の新しい働き方として、個人のSNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士さんの応援やサポートをしている。
2022年2月〜Kiratt広報としてオーラルケア知識などのYoutube配信と広報活動。
2022年5月〜Kiratt 金沢鞍月店にて独立。