朝起きた時に口臭が気になるのはなぜ?寝起きの口臭の原因と対策
朝目覚めた時に、自分の口臭が気になったことはありませんか?おそらくほとんどの方が寝起きの口臭が気になったことがあるはずです。
1日の時間帯によって口臭の強さは変化するものですが、特に寝起きが口臭が強い状態になります。
この記事では寝起きの口臭が強くなる原因と、寝る前にできる口臭対策や、朝に寝起きの口臭を消す方法をご紹介します。
朝起きたときに口臭がする原因
口臭は生活習慣や食べ物、体調や時間帯でも変化するものですが、眠っている時は水分補給ができず、唾液の量も減ることから口の中が乾燥し、細菌が増え口臭が強くなりやすい状態にあります。
そのため、誰しも朝の寝起きは1日の中で一番口臭が強いタイミングとなります。
朝起きたときに口臭が強くなりやすい原因は以下のとおりです。
- 寝る前に歯を磨いていない
- 前日にたくさんお酒を飲んだ・寝酒をした
- 口を開けたまま眠っている
- 前日ににんにくなど臭いの強い食べ物を食べた
寝る前に歯を磨いていない
寝る前に歯を磨かずに眠ると夕食に食べたものが歯間や歯の表面などに付着した状態で長時間放置することになり、口の中の細菌が増加し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
細菌が増えることで朝起きた時に口臭が強くなると考えられます。
寝る前には歯を磨く時間を確保し、歯間ブラシやフロスを使い、歯の表面などの汚れを落としなるべく細菌が増えないように心がけましょう。
しっかりと歯を磨くことで口臭を減らすことができます。
前日にたくさんお酒を飲んだ・寝酒をした
お酒を飲むと口臭が強くなるのは2つの理由があります。
- お酒を飲んだ分以上の水分が出てていってしまう。
- アルコールを分解するときにも水分が必要。
飲んだ分以上の水分が出て行ってしまう
お酒は飲み物なので一見口臭とは関係がなさそうに思う方もいるかもしれません。
アルコールには利尿作用があるため、お酒を飲んだ分以上に尿として水分が出て行ってしまいます。
特にビールは利尿作用が強く1リットルのビールを飲むと1.5リットル分の水分を失うともいわれています。飲んだ量よりも多くの水分が体から失うため、脱水症状になりやすいことが分かります。
アルコールを分解するときに水分が必要となるため
アルコールを摂取すると、アルコールがアセトアルデヒドは体内で酢酸に分解され、さらに二酸化炭素と水になり、尿や汗、呼気等になって排出されます。
その分解過程で必要となる酵素の働きに、水分が必要となり、体から水分を失いやすくなります。
以上の2つの理由からアルコールは脱水症状になるため、口の中が乾きやすくなり、口の中の細菌が増えることから口臭の原因になります。
口を開けたまま眠っている
口を開けたまま眠っている人は口呼吸の可能性があります。口呼吸の場合は長時間口を開けているため常に口が乾燥状態になり、細菌が増えるために口臭の原因となります。
ここでは簡単に口呼吸による体へのデメリットを紹介します。
- 口臭が強くなる
- 口の中が乾燥することにより、虫歯や歯周病のリスクが高まる
- 風邪をひきやすい
- 歯並びが悪くなる
- 慢性疲労
最近はマスクをする生活が当たり前になってきたことから、口の筋肉の低下などが影響し、口呼吸の人が増えてきています。
一番簡単にできる対策としては、寝る時に口にマウステープを貼って寝ることです。
マウステープを使うことで自然と鼻呼吸へと促され、いびきや口臭、疲れが取れやすくなるなど、体にとってもメリットが多いため、寝る時に口を開けている人は取り入れてみましょう。
マウステープはドラッグストアや100円均一ショップなどで簡単に購入することができます。
そして、口の周りの筋力が弱っている場合には”あいうべ体操”がおすすめです。
口の周りの筋肉や舌の筋肉を鍛えることによって、上あごに舌がくっつくようになるため、鼻呼吸になり、いびき対策にもなります。
あいうべ体操については以下の記事で詳しく解説しています。
前日ににんにくなどの臭いの強い食べ物を食べた
にんにくは”アリシン”という成分を持っており、にんにくを切ったり炒めたりすることで、にんにくの組織が破壊され、におい成分のアリシンが生成されます。
にんにくの中の成分には食べて数時間後に呼気から消える成分と、体の中に長く留まる傾向がある成分があります。アリシンは体の中に吸収され、汗や肺から息として排出されます。
他にもニラ・ネギ・玉ねぎにもアリシンが含まれており、同じく口臭としてにおいが残る場合があります。
ニオイ成分を含むアリシンですが、疲労回復・抗菌作用・血糖値の上昇を抑えるなど、体にとってメリットがある食べ物となります。
体にもいい作用がある食べ物ですので、まったく口にしないというわけではなく、人と会う前日や直前には避けるなど、食べるタイミングを調整することで口臭対策になります。
寝る前にできる朝の口臭を減らす方法
- 寝る前にしっかりと歯を磨く
- 舌ブラシを使う
- 寝る前にコップ1杯の水を飲む
寝る前にしっかりと歯を磨く
口臭対策としてベストの歯磨きのタイミングは寝る前と起床した直後です。特に寝る前の歯磨きは口臭予防以外にも虫歯や歯周病対策になります。
就寝中は口を動かすことがないため殺菌作用や自浄作用がある唾液の分泌が極端に少なくなります。唾液が減ることで口の中が乾燥し、虫歯や歯周病の菌も増えやすくなります。
そのため、寝る前になるべく丁寧な歯磨きをすることによって口の中で増加する細菌を減らすことを目指しましょう。
舌ブラシを使う
舌についた白っぽいものを舌苔(ぜったい)と言います。この舌苔が口臭の6割を占めるとも言われています。舌苔は舌に含まれている食べかすや剥がれ落ちた細菌をエサに増加します。そのため、薄っすら白く舌苔が付いているくらいは問題ありませんが、舌苔が厚く舌に付着している場合だと口臭の原因となります。
舌は大変傷つきやすいので、舌苔のケアをする時は優しく取り除くようにしましょう。そして、一度に無理に取ろうとしないことが大切です。
舌のケアをしすぎると舌が傷つき、炎症を起こしたり、余計に口臭が発生してしまう恐れがありますので、舌ブラシは1日1回までにとどめておきましょう。
寝る前にコップ1杯の水を飲む
就寝中は水分を摂ることができないため、誰でも口の中は乾燥します。そのため寝る前にコップ1杯の水を飲むことで、口の中の乾燥を少しでも減らすようにしましょう。
朝に寝起きの口臭を消す方法
- しっかりと歯を磨く
- マウスウォッシュで口をゆすぐ
- 朝食を食べる
しっかりと歯を磨く
寝る前と同様、朝起きた時に歯をしっかりと磨くことは効果的です。特に起きたらすぐに歯を磨くのがおすすめです。おすすめの理由としては眠っている間に口の中に細菌が増えている状態のため、そのまま水を飲んだり、食事をしてしまうと細菌を体の中に入れてしまうことになるからです。
口腔内で増えた細菌を体に入れると肌荒れ・便秘・口内炎・風邪などひきやすくなったりと、体に悪影響を及ぼすため、朝目覚めたら歯を磨く習慣を意識していきましょう。
マウスウォッシュで口をゆすぐ
マウスウォッシュも口臭予防にはおすすめのアイテムです。
ただし、刺激の強いマウスウォッシュは逆効果になってしまうので注意してください。
できるだけアルコールを使っていないマウスウォッシュを選ぶようにしましょう。アルコールが含まれていることによって口の中が乾燥しやすくなるためです。
マウスウォッシュの持続時間は商品によって多少差があるようです。
虫歯や舌苔、歯周病が原因の場合はマウスウォッシュでは口臭の根本的な対策にならない場合があります。
そのためマウスウォッシュは歯磨きなどの補助的な役割と捉え、歯磨きによる虫歯や歯周病、舌苔など普段のお口のケアが何より大切となります。
朝食とりんごを食べる
3食のうちで一番重要なのは朝食です。朝しっかりと噛むことで脳に刺激がいき、自律神経が活性化され、質のいい唾液が分泌され午前中に起きやすい生理的口臭を防ぐことができます。
朝食を食べる時に1口30回をめどに、よく噛んで唾液を増やしましょう。
りんごにはにんにくに含まれるアリシンに反応し口臭を抑えたり、口臭の一般的な物質の発生なども抑えたり、歯垢を取り除く働きがあることから、りんごを食べることで口臭予防に繋がります。
メリットだらけのりんごをぜひ朝食に取り入れてみましょう。
まとめ:誰にでも朝起きたときは口臭はあるため、気にしすぎない事が大切
朝起きた時の口臭の原因と対策についてご紹介しました。
寝起きや空腹時や緊張時などは生理的口臭と呼ばれるもので、人間なら誰しも寝起きの口臭はあるものです。寝起きの口臭が全くない人は存在しません。そのため、あまり神経質にならずに普段のお口のケアを継続していくことが何より大切となります。
口臭の対策には日々の丁寧な歯磨きや舌のケア、そして唾液の分泌を増やすことを心がけましょう。
そして、口臭は生活習慣やストレスなども影響します。そのため健康的な食生活やしっかりとした睡眠など規則正しい生活が口臭対策になります。
石川県歯科衛生士専門学校卒業
フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。
また歯科衛生士の新しい働き方として、個人のSNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士さんの応援やサポートをしている。
2022年2月〜Kiratt広報としてオーラルケア知識などのYoutube配信と広報活動。
2022年5月〜Kiratt 金沢鞍月店にて独立。