歯磨きする時に『おえっ』てなるのは何故?えずくのを抑える方法
- 歯磨きの時に『おえっ』て、えずいちゃう…
- えずく理由は何?
- おえってならない方法があれば欲しい!
こういった疑問にお答えしていきます。
歯磨きをしている時やうがいをする時に『おえっ』ってえずいてしまうこと、ありますよね。
何となくおじさんや年齢を重ねている人がなりやすいイメージをもっている方が多いですが、この『えずく』という現象は年齢関係なく誰にでも起こりえます。
えずくと苦しいですし、歯磨きをしてスッキリさせたいはずなのに逆に気持ち悪くなって嫌な思いをしてしまいますよね。
今回の記事では何故えずいてしまうのか、また歯磨きやうがいの時におえってならないようにする方法を解説していきますので一緒に確認していきましょう!
※記事は5分で読み終わります。
歯磨きの時にえずくのは反射
歯磨きの時におえっとえずくのは嘔吐反射と呼ばれるものです。
嘔吐反射とは、胃や食道、口腔内に異物や刺激物が入ったときに、身体が異物を追いだそうとする反射です。
この反射は、生命維持のために必要な反射であり、口から異物を取り除くことで、消化器官を保護するはたらきがあります。
ただし、嘔吐反射が思いもよらないタイミングで発生したり、過剰な場合は身体に悪影響を与えてしまうことがあります。
程度には個人差がありますが、反応が強すぎる人は歯磨きだけでなく、歯医者さんの治療で口の中に器具を入れただけでも嘔吐反射がでる人もいます。
1万人以上を対象としたある調査によると、歯の治療をためらっている人の8.2%のが嘔吐反射が理由だと報告されているほど、決して珍しくはないものといわれています。
年齢で言うと、意外にも20~30代がもっとも多いと言われており、女性よりも男性の方に多くみられます。
嘔吐反射が起こる原因
歯磨きのときに嘔吐反射がおこる理由は、いくつか考えられます。
①喉の奥の刺激
歯磨きをすると、歯ブラシが喉の奥に届き、喉の粘膜を刺激することがあります。
この刺激によって嘔吐反射が引き起こされます。
②味や臭いによる嫌悪感
歯磨き粉の味や臭いによって、嫌悪感を感じることがあります。
この場合も嘔吐反射が起こることがあります。
③気持ち悪い感覚
歯ブラシの動きや、歯磨きをした際に口の中が泡でいっぱいになることが異物感につながり、この感覚が嘔吐反射を引き起こすことがあります。
④悪い姿勢
姿勢による影響をうける場合もあります。
歯磨きをする時に、上体を前に傾けている場合、胃の圧力が上がり、嘔吐反射を引き起こすことがあります。
⑤心理的な要因
過去に歯磨きをすることで苦痛な体験をした場合、そのトラウマが残っていることがあります。
それによって強い不安や恐怖心が芽生え、歯磨きをすることで過去の体験を思い出し、嘔吐反射が起こることがあります。
また、もともと喉が狭い方や普段から口呼吸をしてしまっている方なども嘔吐反射を起こしやすい傾向にあります。
嘔吐反射を防ぐ方法
あまりに何度もえずいてしまう人は、一度歯科クリニックに相談することをおすすめします。
歯磨きをするたびに毎回繰り返してしまうようでは、体にとっても大きな負担になりますし、体調を悪化させる原因にもなります。
何より落ち着いて歯磨きできないですし、そうなると磨き残しによる虫歯や歯周病など、他病気にもつながる可能性があります。
以下に嘔吐反射を防ぐ方法をご紹介しますが、改善されない場合は早めに歯科医師に相談しましょう。
①歯ブラシを小刻みに動かしてブラッシングする
歯ブラシを大きく動かすと喉の奥の方まで歯ブラシが届きやすくなり、嘔吐反射が起こりやすくなります。
そのため、小刻みに歯ブラシを動かして歯1本1本を丁寧に磨くことで歯ブラシが奥に届くことを抑えることができます。
また歯ブラシを小刻みに動かすことで磨き残しを少なくすることができるため、それによって歯周病や虫歯のリスクも抑えることができます。
そもそも歯磨きの目的はプラーク(歯垢)を除去することにあるので、嘔吐反射のあるなしに関わらず、歯は1本1本丁寧に磨くようにしましょう。
②コンパクトなヘッドの歯ブラシを使う
ヘッドがコンパクトな方が歯ブラシが舌や喉の奥に触れにくくなります。
すぐに磨けるからとヘッドが大きい歯ブラシを選ぶ方もいますが、ヘッドが大きいと奥歯の方を磨くときに喉に歯ブラシが近づきます。
それによって嘔吐反射が起こりやすくなってしまいます。
コンパクトなヘッドを使うことで奥歯を磨いても喉まで歯ブラシが届きにくくなりますし、細かいところまで歯ブラシが届き、プラークをより取り除きやすくなります。
歯磨きの観点から見てもコンパクトなヘッドの歯ブラシを使うことはおすすめです。
③舌に歯ブラシが当たらないようにする
喉に異物が近づいているのを感じるとえずいてしまうパターンも少なくありません。
歯磨きをした際に嘔吐反射が起こるのは、歯ブラシが舌に触れることが原因のことが多いので、できる限り避けて歯磨きすることを意識しましょう。
少し顎を引いて下を向いた状態で歯磨きをすると舌に触れにくくなるのでぜひ試してみてください。
④界面活性剤不使用の歯磨き粉を使う
界面活性剤とはシャンプーや洗剤に含まれており、泡立ちをよくして洗浄力を高めてくれる成分です。
口の中が泡でいっぱいになることも異物感を感じることにつながり、嘔吐反射が起こる原因になります。
市販の歯磨き粉のおよそ8割〜9割に含まれているといわれていますが、最近では界面活性剤不使用の歯磨き粉を歯医者さんで購入することもできるので、気になる方はぜひ問い合わせてみてください。
他にも発泡剤も泡立ちを良くする成分なので、歯磨き粉を選ぶ際は界面活性剤と発泡剤がなるべく入っていないものを選ぶようにしましょう。
また歯磨き粉の泡やニオイなどでも異物感を感じやすく、嘔吐してしまうという方は、香料や発泡剤不使用の歯磨き粉を使用したり、水で歯を磨いたりする方法も試してみましょう。
まとめ
歯磨きをした際の『おえっ』となる感覚は嘔吐反射です。
嘔吐反射を恐れて歯磨きをしっかり行えないようでは歯周病や虫歯のリスクを高めてしまいます。
落ち着いて歯磨きができるよう、できる方法から試してみましょう。
この記事で紹介した方法でも改善されない場合は、なるべく早く歯科医師に相談してください。
放置が一番危険です。
毎日のケアがあなたの歯と身体の健康を守ります。
自分の体は自分で守りましょう。
石川県歯科衛生士専門学校卒業
フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。
また歯科衛生士の新しい働き方として、個人のSNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士さんの応援やサポートをしている。
2022年2月〜Kiratt広報としてオーラルケア知識などのYoutube配信と広報活動。
2022年5月〜Kiratt 金沢鞍月店にて独立。