女性がドライマウスになりやすい?ドライマウスの原因と対策を解説!

ドライマウス

柔らかい食べ物を食べる機会が多いことや、コロナ禍でマスク生活を送る私たちにとって、現代はドライマウスになりやすい状況だと知っていますか。

今回はそんな私たちがなりやすい状態の”ドライマウス”の原因や対策についてご紹介します。

ドライマウスの原因を知ることで、ドライマウスにならない環境づくりをしていきましょう。

ドライマウスとは

ドライマウスは”口腔乾燥症”ともいわれ、心身的なストレスや緊張、薬の副作用、糖尿病などの病気など、様々な要因から唾液の分泌量が減ることによって、口の中が乾燥状態になることをいいます。

唾液量が減ることで、口の中を殺菌したり自浄作用がある唾液の役割が果たせなくなり、口の中の細菌が増えることにより口臭・虫歯・歯周病の原因になります。

1日の唾液の分泌量は正常な人で1リットルから1.5リットルほどといわれています。ですが、ドライマウスになると唾液量は半分以下になってしまいます。

さらに食べ物や唾液が誤って気道に入ってしまう誤嚥(ごえん)を引き起こす場合もありますので、ドライマウスの症状がある場合は早めに対策をすることが重要です。

ドライマウスの原因

ドライマウスになる原因は下記の通りです。

  1. ストレスや緊張状態が続く
  2. 薬の副作用
  3. アルコールやタバコを日常的に好む
  4. やわかいものばかり食べている
  5. 口呼吸をしている

ストレスや緊張状態が続く

ストレス

ストレスや緊張状態などの心因性のものは唾液に大きな影響を与えます。

なぜ唾液に影響を与えやすいのかというと、唾液の分泌には自律神経が関わっているからです。

ストレスや緊張状態のときに優位になる交感神経が働くと、口の中の水分量が減るため、口の中が乾燥し、タンパク質が多くネバネバした状態になります。

逆に、リラックス状態の時に優位になる副交感神経が働くと、唾液量が増えるため口の中が潤い、タンパク質が少ないため口の中はサラサラした状態になります。

ストレス社会の現代は、仕事・家事・育児・学業など様々なストレスがあるため、唾液の分泌量が減りドライマウスの状態の人が多く現代病ともいわれています。

そのため、ドライマウスを改善するには、ストレスをうまくコントロールすることが大切になります。ストレスが溜まっていると感じた場合は、趣味に没頭したり、映画など非現実のこと体験をしたり、運動などストレスを発散できることは人によって違いますが、自分のストレスをうまく減らすことを探し、自分をリラックスさせる状態を知ることがとても大切です。

どうしても自分の力ではストレスからのドライマウスが改善するのは難しい場合は、歯医者や心療内科を受診し、適切な治療を受けましょう。

薬の副作用

高血圧の薬や抗不安薬、睡眠薬、アレルギーの薬などには口の中が口渇する副作用をもつ薬があります。自己判断で薬の服用を中止せずに、どうしても薬による口の乾きが気になる場合には主治医の先生に相談しましょう。

タバコやアルコール

アルコール

タバコに含まれるニコチンやタールは血管を収縮させ、唾液の分泌の働きを悪くさせます。

そして、アルコールは飲んだアルコール以上の水分が尿となって体内から排出されるため、脱水症状になり唾液の分泌量も減ってしまいます。

タバコを吸った後は水分をとるようにしたり、ガムや飴を食べて唾液を増やしましょう。そして飲酒する時はお水も一緒に飲むことで体からの脱水症状を避け、唾液があまり減らないように工夫することが大切です。

やわらかいものばかり食べてあまり噛んでいない

やわらかい食べ物

現代はファーストフードや洋食など柔らかいものを食べることが増え、あまりしっかり噛まなくても食べれる食べ物が多く存在します。

柔らかいものばかりを食べていると、強く噛む機会が減り唾液腺の機能が弱まり、唾液量が減少してしまいます。そのため、あまり柔らかい食べ物ばかり食べずに、食べごたえのある食べ物をしっかり噛むことで唾液を増やすことを意識しましょう。

また食べ物をよく噛まないことや早食いも唾液が分泌されにくいため、こういった食べ方はよくありません。1口30回を目安に噛むことを意識して食べるようにすることで、唾液を増やすことができます。

口呼吸をしている

口呼吸になる原因は様々な要因があります。

コロナ禍になってマスク生活が当たり前になったことで、マスクを着用する時間が長くなり、息苦しさから口呼吸になる人も増えています。そして、風邪やアレルギーなどにより鼻詰まりなどで口呼吸をしてしまう場合もあります。

そのまま口呼吸でいると口臭や虫歯の原因になり、デメリットしかないため、口の周りの筋力を鍛えて鼻呼吸することを目指しましょう。

口の筋力を鍛えるにはいろんな方法がありますが、一番お手軽にできる体操は”あいうべ体操”になります。

順番にあいうべと言うだけなのでちょっとした時間にチャレンジできます。

あいうべ体操のやり方は以下の記事に詳しく記載していますので、参考にしてみてください。

ドライマウスの症状

ドライマウスは難病のシェーグレン症候群でも症状があらわれます。唾液が減少することで、口の中のネバつき、舌の痛み、口臭、乾いた食べ物を食べれないなどの症状がおきます。

さらに唾液の減少により、唾液のもつ自浄作用や殺菌作用が減ってしまい、感染症にもかかりやすくなります。

こういったことから、唾液は私たちの口の中を健康に保ち、虫歯や感染症などから守ってくれる頼もしい存在なのです。

ドライマウス チェックリスト

下記の症状に当てはまるかチェックしてみてください。

当てはまるものが多いほどドライマウスの可能性があります。

  1. 口の乾燥が3ヶ月以上も続いてる。
  2. 口の中がネバネバする
  3. 口臭が気になる
  4. 歯磨きしているのに虫歯になる
  5. 口呼吸をよくしている
  6. ストレスが多い
  7. 乾いた食べ物が食べにくい、または飲み込みにくい
  8. 口や舌が乾燥して痛い

いくつ当てはまりましたか?当てはまる項目が多い場合はドライマウスの傾向がありますので、唾液を増やすことを意識しましょう。

ドライマウスの対策

ドライマウスだった場合はどんな対策をすればいいのでしょうか。

ここでは4つの対策を紹介します。

  • 噛みごたえのあるものを食事に取り入れてよく噛んで食べる
  • 鼻呼吸を心がける
  • 規則正しい生活をする(睡眠や休養をとる)
  • 喫煙やタバコはほどほどに控える

ドライマウスの対策方法としては、原因の反対のことを意識することが大切です。特に鼻呼吸やよく噛むことで、唾液の分泌を増やすことがドライマウスの一番の対策になります。

口の中を潤す役割の唾液はドライマウスを治すためには欠かせない存在です。生活に取り入れられそうなことからチャレンジしてみましょう。

唾液の役割

唾液は常に私たちの口の中を潤し、自浄作用・殺菌作用・粘膜保護・組織修復・再石灰・発がん予防など、口の中だけにとどまらず、体にとても大切な働きをしています。

唾液は自律神経が大きく影響し、リラックスしたときに増えるため、唾液が減少した場合はストレス状態など自分の健康状態を知るバロメーターにもなります。

なぜ女性にドライマウスが多いの?

女性イメージ

女性ホルモンのエストロゲンは唾液腺をコントロールする働きがありますが、エストロゲンが加齢により減ってしまい、唾液の減少に繋がっていることから、女性はドライマウスになりやすい傾向にあります。

女性はドライマウスになりやすいということを知っておき、自分で唾液を増やすように意識することが大切です。

唾液を増やす方法

唾液は意外と簡単に増やすことができます。

唾液はガムを噛んだり、梅干しを食べたり、梅干しを見たりするだけでも簡単に唾液を増やすことができます。

食べる以外にも唾液マッサージをすることで簡単に唾液の分泌を増やすことができます。

顔を触ってマッサージするだけでできるので、テレビや顔を洗った時など日常に簡単に取り入れることができます。唾液が減ってきて口が乾燥している、口臭が気になる場合はぜひマッサージをしてみましょう。

唾液を増やすマッサージ法は以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

今回はドライマウスの原因と対策についてご紹介しました。

普段あまり意識していない唾液の存在ですが、こうしてドライマウスの症状を見てみると、健康的な生活を送るうえで、楽しく食事をしたり、虫歯や細菌などから日々私たちを守ってくれる大事な存在です。

最近、口が乾いてきたなと感じる方は、あまり放置せずにガムを噛んだり、唾液を増やすマッサージをして唾液を増やしてみましょう。

そして口が乾燥気味で睡眠不足やストレスが溜まっていると感じる方は、体からの休息の合図なので、意識的に休む時間やリラックスできる環境で過ごしてみましょう。

監修:山辺 彩香

石川県歯科衛生士専門学校卒業

フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。

また歯科衛生士の新しい働き方として、個人のSNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士さんの応援やサポートをしている。

2022年2月〜Kiratt広報としてオーラルケア知識などのYoutube配信と広報活動。

2022年5月〜Kiratt 金沢鞍月店にて独立。