【子どもから口臭が!?】口臭の2つの原因と対策方法
子どもからの口臭は、親にとって気になる問題ですが、その原因を理解し適切な対策をとることで、口臭を減らすことができます。
最初にお伝えしておくと、まったく口臭がない人は存在しません。
ですので、神経質になりすぎはよくありませんが、子どもの健康やお口の中の状態を表しているのが口臭です。
口臭が気になる場合には、その時の健康や口の状態をチェックする機会だと考え、原因を知っておくことで、早めに対策することができます。
この記事では、子どもの口臭の2つの原因と、効果的な対策方法について解説します。子どもの健康や口腔の発達などにも繋がりますので、ぜひチェックしてみてください。
子どもの口臭の2つの原因
子どもの口臭の原因としては”口の中の原因”と”口以外の原因”に大別されます。
1. 子どもの口の中が口臭の原因の場合
- セルフケアや歯磨きが不十分
- 口呼吸
- 扁桃炎などの病気
- 虫歯や歯肉炎
- 唾液の減少による口の中の乾燥
セルフケアや歯磨きが不十分
子どもは大人のようにうまく歯磨きができません。特に歯と歯が接している部分や奥歯などの磨きにくい場所は磨き残しが多くなり、虫歯の原因となります。
口の中に磨き残しがあるために、口の中の食べかすが長時間残ったりするため、細菌が増え子どもの口臭と繋がっていきます。
そのため、保護者が仕上げの歯磨きをしてあげることで磨き残しを軽減することができます。その際にも力を入れてしまうと歯茎を傷つけてしまう恐れがありますので、軽い力で小さな往復でブラシを動かし、毛先をほぼ移動させないように磨くのがコツです。
小学高学年くらいになると自分でも歯磨きができるようになるため、高学年までは仕上げ歯磨きをしてあげることをおすすめします。
口呼吸
子どもが口呼吸になってしまう原因はいくつかあります。
- 離乳食を食べさせる時期が早い
- 口の周りの筋肉や舌の発育・発達のための食事がされていない。
離乳食を食べさせる時期が生後5〜6ヶ月が目安ですが、それより早い時期に離乳食を与えることで口腔機能の発達が止まってしまう恐れがあります。
その理由は離乳食を早くに食べるようになってしまうことで、それまで使っていた舌をあまり使わずに食事ができてしまうためです。
離乳食が終わった後の子どもの口腔の発育や発達のためにはある程度の大きさと固さのある食事が大切です。
子どもが成長してもハンバーグやオムライスなどといった、子どものが好きなメニューばかりを選んで食べると、柔らかい食べ物ばかりになるため、口腔機能の発達や発育が十分になされない可能性があります。
口腔機能の発育や発達のために、前歯を使って噛み切ったり、よく噛む食事を取り入れましょう。
噛むことをあまりしないまま成長すると、舌、顎、頬などの筋肉があまり発達せずに結果的に口呼吸の原因となってしまいます。そのためにも小さいうちからよく噛む習慣を身に着け、口腔機能を発達させましょう。
扁桃炎などの病気
扁桃腺にある小さな穴があり、そこに細菌やウィルスの死骸が溜まって固まってできた”膿栓”というものが、口臭の原因となる場合があります。
膿栓は耳鼻咽喉科でも取り除いてもらえますが、うがいやくしゃみなどで自然に取れます。
膿栓が子どもにできやすい原因は以下の3つがあげられます。
- 口呼吸になっている
- 風邪をひいている
- アレルギーがある
口呼吸になっていて口の中の乾燥により細菌が繁殖しやすくなっています。風邪をひいている場合も膿栓ができやすくなります。ウィルスと戦った白血球などの細菌のカスなどを、扁桃腺の小さな穴に溜め込むことで膿栓ができ、口臭へと繋がります。
アレルギーで鼻水の症状がある時に、鼻の中に鼻水が入ってしまい、そこから細菌が増えてしまい、膿栓となり口臭になります。
虫歯や歯肉炎
大人に比べて子どもは虫歯になりやすいといわれています。
その原因はきちんと歯を磨けていないのと、乳歯のエナメル質は永久歯の半分しかないため、穴が空きやすく虫歯が進行しやすいです。
他には子どもの大好きなおやつをだらだら食べていることです。おやつを長い時間食べ続けていると、唾液による再石灰化や自浄作用が追いつかず、糖質がずっと口の中に残り、酸が長く出ている状態になります。
同じ砂糖の量でもだらだら食べるほうが虫歯のリスクが上がります。おやつは時間と食べる量を決めて食べるようにしましょう。
子どものエナメル質が永久歯の半分しかないため、歯医者でフッ素を歯に塗布してもらうことも有効です。フッ素と保護者の仕上げ歯磨き、そして定期的な歯の検診で子どもの歯の健康を守りましょう。
唾液の減少による口の中の乾燥
子どもの唾液が減少する人口が増えてきていますが、それにはいくつかの原因が考えられます。
- 子どもの緊張やストレスが増えた
- 柔らかいものばかり食べてあまり噛まずに食事をする
現代の子どもは緊張やストレスをうける機会が増えてきて、自律神経が唾液の分泌に影響するため、緊張状態が続くと、交感神経が優位になり、口の中の唾液の量が減ってしまいます。
そして、もう一つ考えられるのはあまり噛まなくなってきていることです。
子どもが好きなメニューの代表的な食べ物といえばオムライスやハンバーグ、ラーメン、ファーストフードですが、どの食べ物もあまり噛まずに飲み込めてしまう食べ物ばかりです。
そのためあまり噛むことなく食事ができてしまうため、咀嚼の回数が減り、それに伴い唾液の分泌量も減ってしまいます。
食事の時は1口30回以上噛むのが理想的ですが、数えながら食べるのはなかなか難しい場合は、食べごたえのある食べ物を取り入れると自然と噛む回数が増えてきます。
下記に噛む回数が増えやすい食べ物の一部をまとめました。食事の際に食べごたえのある食材を使うだけでも噛む回数は増えていきます。柔らかい食べ物の食事が多いなと思い当てはまる方は、噛む回数が多い食べ物を取り入れてみてください。
アーモンドやピーナッツなどのナッツ類は食事に関係なく、気軽に食べれるのでおやつ代わりに食べるのも良さそうですね。
2. 子どもの口以外の口臭が原因の場合
- 風邪やアレルギーなどによる鼻詰まり
- 胃腸の不調
風邪やアレルギー・副鼻腔炎
子どもの口臭の原因で一番多いのは口呼吸であることです。
風邪やアレルギーなどの鼻詰まりにより、鼻呼吸がしづらくなり無意識のうちに口呼吸になっている場合があります。その場合は早めに治療し、口呼吸が習慣になってしまう前に鼻呼吸に戻すことが大切です。
胃腸の不調
大人と同じで子どもも胃腸の調子が悪くなったり、消化器系の病気になることで口臭が気になる場合があります。その場合は体を休ませたり、内科や消化器内科の受診することで、消化器系の調子を整えましょう。
子どもの口臭が気になった時の注意点
今回取り上げた口臭の原因の他にも朝起きた時や空腹時に口臭がすることがありますが、この口臭は生理的口臭のため、人であれば誰でも少なからずもっている口臭のため、特に対策や治療の必要はありません。
子どもの口臭が気になるといって、大人があまり神経質になるのはよくありません。過剰にプレッシャーを与えてしまい、子ども自身が自分は口が臭いんだと思ってしまう可能性があるためです。口臭恐怖症という症状がありますが、この場合はほとんどが人からから口臭を指摘されたのが原因とされています。
自分の口臭を気にしすぎてしまう口臭恐怖症は子どもの頃に親から口臭の指摘を受けたことが引き金になることが多いともいわれています。口臭恐怖症になると、人と接するのが怖くなり対人関係にも大きな影響を与えてしまいます。
口臭がまったくしない人間は存在しません。そのため大人も子どもも口臭に対してあまり神経質にならず、よく噛む習慣をつけて健康的な毎日を送り、口臭と適度にうまく付き合っていくことが大切になります。
まとめ:口臭はあくまで体のバロメータと考え、あまり気にしすぎない事が大切!
今回は子どもの口臭の原因や対策について紹介しました。
子どもの口臭にはお口の中の環境や口腔機能の発達、そして健康状態が影響することが分かりました。
子どもの歯磨きの磨き残しや、おやつの食べ方などはある程度保護者が管理することで解決できます。そして口臭対策は、自浄作用を持ち口の中を潤す唾液の存在が欠かせません。よく噛むことを意識して唾液の分泌を増やすことで口臭対策になります。
子どもに直接口臭を指摘するのではなく、口腔機能の発達や磨き残しなどを大人である私たちがサポートすることで、さらに口腔環境を整えていくことを目指しましょう。
石川県歯科衛生士専門学校卒業
フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。
また歯科衛生士の新しい働き方として、個人のSNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士さんの応援やサポートをしている。
2022年2月〜Kiratt広報としてオーラルケア知識などのYoutube配信と広報活動。
2022年5月〜Kiratt 金沢鞍月店にて独立。