ホワイトニング前に知っておきたい!歯が黄ばむ食べ物・飲み物

歯が黄ばむ食べ物・飲み物

白く輝く歯を手に入れるためには、食事や飲み物にも注意が必要です。歯が黄ばむ原因となる食べ物や飲み物は意外にも多く、その影響は大きいものがあります。この記事では、歯の美白を望むなら避けたい、歯が黄ばむ食べ物や飲み物について紹介し、着色するものを口にした後の対処方法もお伝えします。

歯の色が変わる原因

歯は見た目の印象に大きく影響します。誰しも美しく白い歯に憧れますが、なぜ歯は黄ばんでしまうのでしょうか?ここでは歯の色が変わってしまう原因について簡単に解説します。

歯の色が変わる原因として以下のことが考えられます。

  1. 加齢による歯の色の変化
  2. 歯髄の影響
  3. 食べ物と飲み物の影響

1. 加齢による歯の色の変化

歯が黄色くなる原因のひとつに加齢があげられます。

エナメル質は半透明で、年齢を重ねるうちに薄くなっていくことが原因のひとつです。エナメル質の内側にある象牙質は年齢とともに少しずつ厚みを増し、象牙質を覆っているエナメル質から透けて見えることが原因とされています。

象牙質も年々茶色っぽく変化していくことから、エナメル質から象牙質が透けて見えるために歯の色が変化するとされています。

加齢による歯の色の変化にはホワイトニングが効果的です。

加齢による黄ばみについては以下の記事で詳しく解説しています。

2. 歯髄の影響

歯の色が変わる原因の一つとして歯髄の影響も考えられます。

歯髄とは象牙質の内側にあり、血管や神経、リンパ管を含んだ組織です。歯髄の外側にある象牙質を作ったり、象牙質にある象牙細管を通じて栄養などを運んだりする役割があります。

虫歯などの細菌などが歯髄内に入り込むと、細菌をやっつけるためにリンパ球などを働かせるために血液量が増加します。歯の根元の歯髄の血管は細く、歯に流入する血液より流出する血液量が多いと歯髄は壊死してしまいます。死んだ組織が褐色に変わり、歯の色を変えてしまうことがあります。

神経の治療をしたときも細管内に血液の成分が入り込んでしまうことで変色の原因となる場合があります。

歯髄の健康状態が悪いとエナメル質に変色の影響を与えることがあるため、定期的な歯科医師による検診や適切な治療を受けることが大切です。

3. 食べ物と飲み物の影響

私たちが毎日何気なく食べるものや飲み物も歯の色を変える原因となります。ここでは、どんな食べ物や飲み物が歯の着色に影響するのかを考えていきましょう。

歯に着色する食べ物

歯の着色汚れには、歯を覆っている”ペクリン”という薄い膜が関係しています。

ペクリンは歯のエナメル質を保護したり、歯の再石灰化を促す働きを持っていますが、細菌や食べかす、食品の色素を付着させる働きもあります。

そのため、ペクリンにステインがつくことで歯に着色してしまいます。

歯の着色を促す食べ物には以下の2つの原因があります。

  • 色の濃い食べ物
  • 酸性度の高い食べ物

歯に着色する食べ物は色の濃い食べ物が歯に着色しやすく、さらに酸性度が高いものは着色を促す原因となります。

色の濃い調味料

ソース・ケチャップ・醤油・トマトソース

色の濃い食べ物

カレー・キムチ・ビーツ、色鮮やかな飴、ガム、かき氷など。

他にもチェリー、ブルーベリーなど色の濃いベリー系の果物も着色しやすい食べ物です。

色鮮やかな飴やかき氷などを食べた後に舌に色がついてしまった経験があると思いますが、舌に色がついてしまうように歯にも着色してしまいます。

歯に着色する飲み物

歯に着色しやすい飲みの物は以下のものがあげられます。

歯に着色しやすい飲み物

1. 緑茶・紅茶・ウーロン茶

普段、お茶や紅茶の入ったマグカップなどに茶渋がつくことがありますよね。食器に茶渋がつくように歯にも同じように着色します。

緑茶・紅茶・ウーロン茶にはポリフェノール(タンニン)が含まれており、その成分が着色を促すため、選ぶ時にポリフェノールが少ないもの選ぶといいでしょう。

2. コーヒー・赤ワイン

コーヒーの色そのものが歯につくわけではなく、コーヒーや赤ワインに含まれるポリフェノールという成分が着色の原因となります。

ポリフェールの歯の表面の薄い膜のペクリンが結合することにより、歯に色素沈着(ステイン)してしまいます。このステインが増えることで歯は黄色くなっていきます。

ペクリンとポリフェノールは歯の内側に染み込むため、普通の歯磨きでは落とすのは難しいです。

赤ワインにもコーヒーと同じく、ポリフェノールが含まれており、コーヒーと同じような着色する可能性があります。

コーヒーや赤ワインなどよく摂取する方は、歯の着色が起こりやすいです。歯の黄ばみが気になる方はホワイトニングで着色汚れを落とすことを検討してみましょう。

酸性度の高い食べ物

つぎに酸性度の高い食べ物は以下のとおりです。

  1. お酢
  2. スポーツドリンク
  3. 炭酸飲料
  4. 白ワイン
  5. 柑橘系のフルーツ
  6. レモン汁

酸性系の食べ物は体にいいとされていますが、歯にとってはちょっと厄介なものです。酸性が高い食べ物は歯のエナメル質を溶かしてしまい、歯の表面下の象牙質が見えてしまい、歯が黄色く見えてしまいます。

そして意外なのが白ワインです。じつは白ワインは赤ワインよりも酸性度が高くグレープフルーツと同じくらい酸性度が高い飲み物なのです。

それでも着色する食べ物や飲み物を口にしたい場合は?

歯磨きをする女性

着色しやすい食べ物や飲み物を紹介しましたが、私たちがよく口にするものばかりで、食べれないと思うとなんだか寂しいですよね。そこでどうしても食べたい!という場合の対処方法についてもまとめました。

  1. ストローを使う
  2. うがいをする
  3. ガムを噛む
  4. 30分してから歯を磨く

1. ストローを使う

熱い飲み物には使えませんが、色の濃い飲み物を飲むときにはストローを使って歯の表面につかないようにしましょう。

2. うがいをしてキシリトール100%のガムを噛む

歯に着色しやすい飲み物を飲んだ場合に毎回歯を磨くのはなかなか難しいです。歯に着色しやすい色の濃い飲み物を飲んだ場合はお水で口をゆすぐことで、濃度が薄まりある程度は着色しにくくなるでしょう。

そして、うがいの後にガムを噛むことで酸性の高い食べ物を食べた後に、お口の中を中和することができます。キシリトール100%のガムを噛むことで虫歯予防にもなるので一石二鳥です。

3. 30分してから歯を磨く

食事や飲み物で糖分を摂取すると口の中が酸性に傾きます。その状態で歯を磨くと象牙質を傷つけてしまう恐れがあります。そのため食後30分で唾液による働きによって酸性に傾いた口の中が元に戻り、象牙質が再び固くなった状態で歯磨きをするのが望ましいです。

時間がない時はなかなか難しいかもしれませんが、健康な歯で美味しいものを長く食べるため、毎日の意識的なケアが大切です。

歯を白く保つための食品

歯を白く保つためにおすすめの食品は以下のとおりです。

  1. にんじん・りんご
  2. ナッツ類
  3. チーズなどの乳製品
  4. キシリトールガム

1. 水

水を食後に飲むと歯の着色を防いでくれるので、食後に水を飲むように心がけましょう。特に今回記事で紹介した着色しやすい食べ物や、飲み物の後に水を飲むのも効果的です。炭酸水は酸性の飲み物になるため、無糖だからといって水代わりに頻繁には飲まないようにしましょう。

2. りんご

歯を磨く働きがある繊維質が豊富に含まれているので、生で食べることで歯の表面の汚れをとる働きがあります。特にりんごは歯周病の原因となる細菌の繁殖を抑える効果があります。

3. ナッツ類

アーモンドやカシューナッツ、くるみといったナッツ類は歯ごたえがあるため、よく噛むことで歯の表面の汚れが取れるため、白い歯を保つにはよい食材です。

ナッツ類はカルシウムやマグネシウムを豊富に含んでいるため、虫歯予防の働きもあります。カシューナッツには虫歯の原因のバクテリアに効く特性があります。

4. チーズや牛乳などの乳製品

乳製品はエナメル質を強化し、カルシウムとリン酸が含まれているので歯を白く保つためにぴったりの食材です。

チーズは口内をアルカリ性にする働きをします。チーズを食べると酸性化を防ぎ、虫歯になりづらい事が分かっています。そして歯の再石灰化を手助けしてくれるため、チーズを食べると歯の健康にメリットが多いのでおやつ代わりに食べるのも良さそうです。

5. キシリトールガム

キシリトールを噛むことにより、唾液が分泌することで口内が中和され、エナメル質の再石灰化を促進させることができます。粘着性のある歯垢がキシリトールを摂取することで、歯垢が落ちやすくなります。そしてキシリトールガムは虫歯のもととなる酸を作り出すことができなくなる作用があるため、虫歯予防にぴったりのアイテムです。

キシリトールガムを噛むことで唾液が増えて口臭予防になり、歯垢も落ちやすくなり、虫歯も予防もできる優れものです!毎日の食事の後にキシリトールガムを取り入れると、お口の健康も維持できそうですね。

まとめ

歯の色が変わる原因や、歯が黄ばむ食べ物・飲み物についてご紹介しました。

【歯が着色しやすい食べ物や飲み物】

  1. ケチャップ・ソース・醤油
  2. 緑茶・紅茶・コーヒー・赤ワイン・白ワイン

【酸性度が高い食べ物】

  1. お酢
  2. スポーツドリンク・炭酸飲料
  3. 白ワイン
  4. 柑橘系のフルーツ

歯に着色しやすい食べ物や飲み物、そして酸性度の高い食べ物ですが、どの食べ物も私たちが日常的によく口にしているものばかりです。

歯をキレイに保つためにまったく口にしないというのは現実的ではありません。そのため、歯に対してこういう作用があるということを知っておき、口にしたときは水を飲んだり、うがいをしたりと簡単に出来ることを生活に取り入れてみましょう。

 

 

監修:山辺 彩香

石川県歯科衛生士専門学校卒業

フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。

また歯科衛生士の新しい働き方として、個人のSNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士さんの応援やサポートをしている。

2022年2月〜Kiratt広報としてオーラルケア知識などのYoutube配信と広報活動。

2022年5月〜Kiratt 金沢鞍月店にて独立。