フッ素は体に悪い?過剰摂取による歯への影響とは

Kirattブログタイトル フッ素は歯に悪い?過剰摂取による歯への影響とは
  • フッ素って体に悪いの?
  • 虫歯予防に効果があるとも聞くけど…
  • 歯磨き粉にもフッ素って入ってるけど、毎日使っても大丈夫?
  • 結局どっち?

こういった疑問にお答えしていきます。

フッ素を歯に塗ると虫歯を予防できる」というのをよく耳にしますが、一方で「フッ素は体に悪い」という情報もSNSなどで見かけることがあります。

フッ素は歯磨き粉にも含まれており、歯磨きは毎日するものなので少なからず体の中に取り込んでいることになります。

そう考えると、ちょっと心配になりますよね。

そこでこの記事では、フッ素は安全なものなのか、そもそもフッ素って何なのかなどを順番に解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

※記事は5分で読み終わります。

自然界に存在するフッ素は安全です

「F」の茶色いブロックを持った女性の手の画像

フッ素は元素の状態だと気体の猛毒です。

しかしフッ素は通常、元素の状態ではなくいろいろなものと結合した化合物として自然界に広く存在しており、必ず誰もが摂取しているものになります。

身近なものだと歯磨き粉や歯科の現場で使われていることが多く、食品だとお茶や肉、魚、乳製品などにお多く含まれています。

我々が生活の中で摂取しているフッ素は厳密にはフッ化ナトリウムというもので、フッ素とナトリウムが結合したものになります。

そのためフッ素が元素の状態(気体)だと猛毒ですが、ナトリウムと結合することで非常に安定した物質になります。

なので日常生活で我々が摂取しているフッ素は化合物であるため安全なものであるといえます。

そもそもフッ素って何?

「FLUORIDE」と書かれたカードを持った女性の画像

ちょっと科学的なお話をすると、フッ素は原子番号9の元素です。

元素は全部で118種類あり、水や土などの自然、机や椅子などの人工物、人間、など世の中に存在するものは全てこの元素の組み合わせでできています。

元素単体では目に見えないものだとしても、元素が組み合わさると形あるものになり、元素単体の状態とはまったく違う物質になります。

そのため、元素単体の状態のときと元素が組み合わさった状態のときでは全然違うものになります。

わかりやすい例をお話しすると、お塩があります。

お塩は厳密にいうと塩化ナトリウムといい、塩素という元素とナトリウムという元素が組み合わさってできています。

塩素は単体だと腐食性・毒性があり、ナトリウムは単体だと水に触れるだけで爆発する危険な元素です。

しかしこれらが組み合わさることでお塩になり、口にしても水に溶かしても安全な物質になります。

フッ素もこれと同じく、フッ素単体の元素の状態だと気体で猛毒ですが、ナトリウムと結びつくことでフッ化ナトリウムとなり安定した物質になるというわけです。

歯磨き粉や歯科の現場で取り扱われているフッ素と呼ばれるものは、厳密にいうとこのフッ化ナトリウムであるということになります。

その他、我々が日常生活で摂取しているフッ素も元素単体ではなく何かしらの化合物の状態であるため、安全であるといえます。

歯磨き粉のフッ素は大丈夫?

歯磨き粉が乗った歯ブラシと歯磨き粉の画像

先ほどもお伝えした通り、私たちが普段の生活で摂取しているフッ素は単体ではなく化合物の状態であるため、安全なものです。

とはいえフッ素に限らずなんでもそうですが、過剰な摂取は良くありません。

そう言われると「毎日使っている歯磨き粉は過剰摂取にならないのか?」と不安になる人もいると思います。

ここからは歯磨き粉に含まれるフッ素についてお話ししていきますね。

歯磨き粉のフッ素

結論からお伝えしますと、歯磨き粉に含まれるフッ素は毎日使用しても過剰摂取にはなりません

日本で売られている歯磨き粉は全て、世界的に見てもかなり厳しい基準をクリアした歯磨き粉なのでどれを使っても安全です。

フッ素は虫歯予防に効果があるため、多くの歯磨き粉に含まれています。

普段の歯みがきで口に含んで吐き出す程度であれば影響がでない量しか含まれていないので、歯磨き粉をダイレクトに丸々1本飲み干したりしない限りは過剰摂取になることはありません。

そのため、歯磨き粉を選ぶ際はなるべくフッ素が多く含まれているものを使うといいでしょう。

フッ素の効果

歯に対するフッ素の効果は大きく3つあります。

  1. 歯を強くする
  2. 再石灰化を促す
  3. 虫歯菌を抑制する

①歯を強くする

フッ素には歯を強くする性質があります。

歯に取り込まれることによって、酸に溶けにくい強い歯にしてくれます。

それによって虫歯への抵抗力を高めることができます。

②再石灰化を促す

再石灰化とは、酸によって溶けだした歯の表面のカルシウムやリンを補うことです。

フッ素には歯の再石灰化を促す効果があるので、酸によって溶けだした歯を守り、虫歯になりにくくしてくれます。

③虫歯菌を抑制する

歯ブラシでは落とし切れなかったプラーク(歯垢)の中にフッ素が入ることで、虫歯菌の働きを弱めてくれます。

虫歯菌は口の中で酸をつくり、歯を溶かして虫歯になりやすくします。

食事をした後、歯磨きをせずにそのままでいると、虫歯菌が増えてどんどん酸をつくり歯を溶かします。

歯みがきをしたとしても、歯ブラシだけでは全体の約60%しか落とせていないため、歯垢は残ってしまいます。

歯間ブラシを使うことで約90%にまで除去することはできますが、どうしても磨き残しは出てしまうので、歯磨き粉はフッ素が多く含まれているものを使うのがおすすめです。

フッ素の過剰摂取による症状

口元を両手で覆っている女性の画像

さて、ここまでフッ素の安全性についてお話ししてきました。

繰り返される研究によってフッ素の安全性は確かなものだと証明されていますが、気を付けなくてはいけないこともあります。

何でも過剰摂取は良くないとお話ししましたが、フッ素を過剰に摂取するとあらわれる症状があります。

それはフッ素症です。

フッ素症

フッ素症とはフッ素を過剰に摂取したことでおこる慢性中毒の症状のひとつです。

症状としては、歯の表面にペンキで塗ったような白い斑点しま模様などがみられます。

部分的にできることもあれば歯全体を覆うような形であらわれることもあり、重症化すると歯が欠損してデコボコとした形になることもあります。

これは0歳〜8歳までの歯の形成期に高濃度のフッ化物が含まれた飲料水をよく口にすることで発症すると言われています。

具体的な数字で言うと、「0.1mg/kg体重/日」のフッ化物を毎日摂取することで発症しやすくなります。

もっともかかりやすい時期は1歳から3歳の間といわれているため、この期間はとくにフッ化物の摂取が過剰にならないように注意が必要です。

井戸水などで、フッ素を多く含んでいる水を飲料水として使用している地域では、フッ素症の人がみられやすい傾向にあります。

とはいえ、先ほどもお伝えしましたが普段の歯磨きで使用する歯磨き粉に含まれているフッ素は、毎日使用しても過剰になることはないのでお子様にも安心して使ってもらって大丈夫です。

歯医者さんでおこなっているフッ素塗布虫歯予防に非常に効果が高く、定期的におこなっても過剰になることはないのでご安心くださいませ!

まとめ

フッ素は日常生活を送る上で誰もが摂取しているもので、安全なものです。

むしろ歯磨き粉に含まれるフッ素や歯医者さんでおこなうフッ素塗布は歯を強くし、虫歯になるのを防いでくれるため非常に効果的です

SNSでは様々な情報が飛びかっているので、何が本当で何が嘘なのかわからないことも多いかと思います。

まちがった情報を鵜呑みにすると逆に歯に負担のかかることをしてしまっていることもあるので、お口のことに関する疑問は歯医者さんに相談するようにしましょう。

お口の中は普段自分では見ることができないため、トラブルが起こっていても気づきにくいです。

とくに歯を失う原因となる虫歯や歯周病は初期症状が非常にわかりにくく、自分では判断することが難しいです。

炎症がおこって歯医者さんで診てもらった頃には、かなり進行が進んでしまっていたということも少なくありません。

異変を感じる前に、日頃から何もなくても定期的に歯科検診やクリーニングを受けることをおすすめします!

ブログ監修:山辺 彩香

石川県歯科衛生士専門学校卒業

フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。

また歯科衛生士の新しい働き方として、個人のSNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士さんの応援やサポートをしている。

2022年2月〜Kiratt広報としてオーラルケア知識などのYoutube配信と広報活動。

2022年5月〜Kiratt 金沢鞍月店にて独立。