噛まないと損?!噛む回数を増やして健康維持!!

皆さんは食事の際、口に入れたら何回噛むようにしていますか?

中々噛む回数まで意識しながら食事されている人は少ないと思います。

最近では柔らかい物を好んで食べる傾向があったり、食事にかける時間が短かかったり昔より硬い物を食べる習慣も噛む回数も減っているといわれています。

現代人の顎は昔の人に比べ、小さくほっそりしています。

その影響で最近の子供達は顎が小さく、永久歯が並びきらずに矯正治療が必要になりがちです。

顎を成長するさせる為にも、しっかり噛んで食事する必要があります。

子供の頃に「よく噛んで食べなさい。」と言われた事がありますが、噛む事で唾液の分泌が増え、唾液の抗菌作用により口の中の清掃効果も高まり、虫歯や歯周病の予防にも繋がります。

また生活習慣病の予防が利点としてあげられます。

口は健康の入り口ともいわれるように噛む事は、とても大切で重要な役割を果たしています。

そこで以下より食べ物を噛む時の回数、噛む事の役割、よく噛んで食べる為の工夫とポイント、丈夫な歯を維持させるセルフケアをご紹介いたします。

噛む回数はどれくらい?

食べ物の種類や食感によって異なりますが、一口につき30回以上噛む事が理想とされています。

平成21年7月に厚生労働省が食育の視点から一口30回以上噛む事を目標とした「噛ミング30(カミングさんまる)運動を推進したそうです。

よく噛む事で身体と心の栄養となり、歯と口の健康づくりや窒息予防に繋がり、更に五感で味わう事ができるそうです。

参考↓
厚生労働省:歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書(概要)

噛む事の役割

肥満を防ぐ

よく噛む事で少量の食事でも脳の満腹中枢が刺激され、満腹感を感じ食べ過ぎ防止を防ぐ事ができます。

小顔、美肌効果

顔全体の筋肉が鍛えられ、たるみの防止になり血行の流れもよくなる為、むくみ防止にも繋がります。

味覚が発達

よく噛み、ゆっくり味わう事で味細胞が刺激され、食べ物の素材の味がよくわかるようになり、楽しむ事に繋がります。

言葉の発達

噛む筋肉、表情筋が鍛えられ表情豊かになり、咀嚼筋や舌を発達させ、発音がよくなる効果が期待できます。

顎の骨を成長させる

固い物をよく噛むと、上下の顎の骨や顔の筋肉が発達し、顎が丈夫になり歯が綺麗に並ぶスペースも確保されます。

脳の活性化

よく噛む時の顎の動きにより脳への血流が増加し、脳の若さを保ち老化防止に繋がります。

記憶力の向上、認知症の防止にも繋がります。

胃腸の働きを促進

唾液中の消化酸素の分泌が盛んになり、細かく噛み砕けば胃腸への負担が和らげます。

癌を防止

よく噛む事で唾液に含まれる酸素には食品中の発癌物資の発癌性(代表的な物でいうと焦げてしまった物など)を抑制する効果があります。

注意)普段は気にする程のものではないが、蓄積されると癌になる可能性があります。

全力投球

身体が活発になり力一杯、仕事や遊びに集中できます。

以上のように、噛む事には様々な役割が沢山ある事がわかります。

しかしあまりにもゆっくり噛み過ぎると食事の時間も長くなり、消化不要や胃腸のトラブルを引き起こす事があるので気を付けましょう。

あまり噛まずに食べる方は、食べるスピードも速く一口量が多くなりがちの上、カロリー摂取量も多く、よく噛まずに飲み込んでしまい沢山食べてしまうようになってしまいます。

適度に噛む事を心掛ける事も大切です。

よく噛んで食べる為の工夫とポイント

噛む事を意識した食材

食物繊維の多い根菜類、豆、きのこ類やイカ、タコ、こんにゃく等、歯応えがあり弾力性のある物を食べるとよいでしょう。

食材を大き目に切る

食材を大き目に切ったり、少し硬めの状態で茹でたりする等、噛まなければいけない状況を作り、よく噛まないと飲み込めない為、自然と噛む回数が増えます。

調理法を工夫する

調理を煮物よりも焼き物にしたりする事で、噛む回数が増えるでしょう。

薄味にする

味は食べ物のうま味が唾液に充分に溶け込んで、口の中に広がる事で感じます。

その為、甘みや塩分の強い物は口の中に入れた瞬間に味を感じる為、噛む回数が少なくなります。

薄味にする事で素材の持ち味をよく味わおうとする為、自然に噛む回数が増え唾液が沢山分泌されます。

一品メニューより定食にする

丼ものや麺類などの一品メニューは、一気に食べてしまいがちになります。

外食の際も一品メニューよりは定食を選択し、噛み応えの違う複数の料理を味わいながら、よく噛んで食べるようにしましょう。

飲み物で食べた物を流し込まない

食べ物が口に残っているうちに、飲み物で流し込まないようにしましょう。

一口ごとに箸を置く

一口食べる度に箸を置く事を意識する事で、噛む回数も増え早食いも防ぐ事ができる為、よく噛んでから飲み込む癖をつけましょう。

丈夫な歯を維持させるセルフケア

生涯自分の歯で噛む為にも毎日のセルフケアは、とても重要となります。

歯と歯茎のケアの基本は正しい歯磨きの仕方です。

歯ブラシは鉛筆持ちで歯と歯茎の境目に当て、小刻みに軽い力で磨きます。

鉛筆持ちでないと力が入ってしまい、歯が磨耗し知覚過敏を起こしてしまったり、歯茎に傷がついてしまうので力加減は要注意です。

また、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助用具も併用し、歯ブラシでは届きにくい歯と歯の間の汚れも丁寧に除去しましょう。

歯間ブラシにはサイズがある為、ご自身の歯に合ったものを使用する事をお勧めします。

デンタルフロスも指巻きタイプとホンダー付きタイプがあります。

正しい使い方など分からない場合は、歯科医院で指導してもらうのもよいでしょう。

虫歯や歯周病、歯槽膿漏などで歯が失い、入れ歯になってしまうと、噛む力は3分の1程度に低下してしまうといわれています。

しっかりケアしてるつもりでも、気付かないうちに虫歯や歯周病になっている事もあるので、歯科医院で定期検診を受け、お口の中を健康に保ちケアに努めましょう。

まとめ

「健康にいいからよく噛んで食べる」「噛む回数は一口30回」

簡単なように思えますが、思った以上にとても難しいものです。

皆さんも食事の際に、自分は一口で何回噛んでいるか数えてみてみましょう。

意外と早く飲み込んでいる事に気付き、よく噛む事の大変さを実感する人が多いのではないでしょうか?

できるだけ、一口30回を普段から意識し食生活を見直してみましょう。

ブログ監修:山辺 彩香

石川県歯科衛生士専門学校卒業

フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。

また歯科衛生士の新しい働き方として、個人のSNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士さんの応援やサポートをしている。

2022年2月〜Kiratt広報としてオーラルケア知識などのYoutube配信と広報活動。

2022年5月〜Kiratt 金沢鞍月店にて独立。