歯間ブラシとは?フロスとの違い・サイズ選び・続け方の基本
歯間ブラシは、歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間を清掃する、小さなブラシです。ただし、すべての歯間に入れる道具ではありません。歯間の広さや扱いやすさに合わせて、デンタルフロスと使い分けます。
「自分にも必要?」「SSSとSのどちらを選ぶ?」「フロスがあれば十分?」と迷う方に向けて、選ぶ順番と毎日続けるための考え方を紹介します。まずは無理なく使える道具を見つけ、細かなサイズや使う場所は歯科医院でも確認しましょう。
📝 本記事 監修
歯科衛生士 山崎 明日海
やまざき あすみ
小樽歯科衛生士専門学校卒業。フリーランスの歯科衛生士・ホワイトニングサロンオーナーとして独立。2023年3月にKiratt 札幌店をオープンし、歯科衛生士常駐のセルフホワイトニングサロンを運営。SNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士の応援・サポートも行っている。
▶ 監修者プロフィールを詳しく見る歯間ブラシとは?歯みがきを補うための道具

歯ブラシは歯の表側・裏側やかみ合わせの面を磨くのに役立ちますが、歯と歯の間には届きにくい部分があります。そこを補うのが、歯間ブラシやフロスなどの歯間清掃用具です。歯間ブラシは歯みがきに追加して使う道具であり、歯ブラシを省くためのものではありません。[1]
目的は、挟まった食べかすだけでなく、歯間の歯垢(プラーク)を取り除くことです。目立つ食べ物が取れたかどうかだけで、清掃の必要性は判断できません。歯間の清掃を日々のケアの一つとして考えましょう。[2]
年齢よりも、歯間に合うかで考える
歯間ブラシは、歯と歯の間にブラシが無理なく通る空間がある場所で使います。「大人になったから」「家族が使っているから」という理由だけで同じサイズを選ぶ必要はありません。年齢が同じでも、歯間の広さや歯並びは異なります。
使うために隙間を押し広げようとしないことが大切です。入らない場所は押し込まず、フロスなど別の道具を検討します。どこに歯間ブラシを使うとよいか分からない場合は、歯科健診で実際の歯間を見てもらうと選びやすくなります。[3]
歯間ブラシとフロスの違い・使い分け

フロスは細い糸を歯に沿わせて使い、歯間ブラシはブラシ部分を歯間に通して使います。狭い歯間ではフロス、空間のある歯間では歯間ブラシが候補になります。道具の優劣を一つに決めるより、清掃したい場所に合うかで選びましょう。[1]
| 比較する点 | 歯間ブラシ | デンタルフロス |
|---|---|---|
| 道具の形 | 持ち手の先に小さなブラシがある | 糸巻き型や持ち手付きの型がある |
| 選ぶ場所の目安 | ブラシが無理なく通る空間がある歯間 | ブラシを入れにくい狭い歯間 |
| 選ぶときの確認点 | 太さ、持ち手の形、前歯・奥歯への届き方 | 糸の扱いやすさ、持ち手の形、歯面への沿わせやすさ |
| 避けたいこと | 入らない場所へ力で押し込む | 勢いをつけて歯ぐきに糸を落とす |
例えば、一つの口の中で、狭い場所にはフロス、空間のある場所には歯間ブラシを使うことがあります。反対に、前歯だから必ずフロス、奥歯だから必ず歯間ブラシと決まっているわけではありません。
同じ道具一本で、すべての場所を済ませようとしなくて大丈夫です。使い分けが複雑に感じたら、まず歯科医院で清掃が必要な場所と適した道具を整理してもらいましょう。
フロス自体の種類や特徴は、デンタルフロスの基本と選び方で詳しく紹介しています。糸の通し方を確認したい方は、デンタルフロスの使い方も参考にしてください。
歯間ブラシのサイズ選びは、太さより「無理なく通るか」

パッケージにはSSSS・SSS・SS・S・Mなどのサイズが表示されています。初めて選ぶ場合は、製品の案内を読み、細いサイズから確認する方法があります。ただし、最も細いサイズなら誰にでも入る、という意味ではありません。細いブラシでも入らない歯間はあります。[3]
強い抵抗や痛みを、我慢の目安にしない
ライオンは、ブラシを入れたときに抵抗なく動かせることをサイズ選びの目安としています。太すぎるものを狭い歯間へ通そうとすると、歯や歯ぐきを傷めるおそれがあります。柄がしなるほど押したり、痛みを我慢して慣れようとしたりしないでください。[4]
一方、細ければ細いほど自分に合うとも限りません。「入るか」に加えて、清掃したい歯の面にブラシが届いているかを確認する必要があります。見た目や感触で判断できなければ、使っている製品を持参して相談しましょう。
場所ごとのサイズをメモしておく
歯間の広さは部位によって異なるため、複数のサイズを使い分ける場合があります。一か所に合ったサイズを、口全体へそのまま当てはめないことがポイントです。歯科医院で確認したら、製品名・サイズ・使用する場所を一緒にメモすると買い足しやすくなります。[4]
買い替えるときはサイズ記号だけでなく、製品名や形状も確認してください。先端から根元へ太くなる製品には、「SSS〜S」のように幅を持たせた表示もあります。これは一本で対応する歯間サイズの目安であり、どの深さまででも押し込めるという意味ではありません。[5]
I字型・L字型、ワイヤー・ゴムタイプの選び方

サイズを確かめたら、次は持ち手の形です。一般に、まっすぐなI字型は前歯、先端に角度のあるL字型は奥歯に使いやすい形です。無理な姿勢をとらずに、使いたい場所へ向けられるかを考えて選びましょう。[1]
| 選ぶ項目 | 特徴と確認したい点 |
|---|---|
| I字型 | まっすぐな持ち手。前歯で向きを合わせやすいか確認する |
| L字型 | 先端に角度があり、奥歯へ届かせやすい形 |
| ワイヤータイプ | 細い金属の軸に毛が付いたもの。毛や軸の傷みを確認する |
| ゴムタイプ | 金属ワイヤーを使わない製品がある。対応サイズと使用回数を確認する |
「ゴムならどこへでも入る」「ワイヤーなら強く動かしてよい」とは考えないでください。素材にかかわらず、無理な力をかけると破損や歯ぐきへの負担につながります。インプラントなどの治療部位は、使える道具を担当の歯科医院で確認してください。[2][5][6]
角度を変えるために、金属の軸を自己流で曲げないでください。曲げられる部分の有無は製品によって異なります。届きにくい場合は、まずL字型などの形を検討し、製品の説明に従いましょう。[7]
毎日続けるための時間・置き場所・交換の考え方

歯間清掃は1日1回を目安に、丁寧にできる時間を決めると取り入れやすくなります。朝・昼・夜のどれかに固定する必要はなく、自分の生活に合わせて構いません。歯科医院から個別の指示がある場合は、そちらに合わせます。[2]
続ける工夫として、歯ブラシと一緒に目に入る場所へ収納する、いつも同じ順番で清掃する、買い足す製品をスマートフォンに記録する方法があります。使いにくさで続かないときは、回数を増やそうとするより、持ち手やサイズ、準備の負担を見直してみましょう。
「何日使えるか」は製品と傷み方で確認する
歯間ブラシには、洗って再使用できるものと、一回の使用を勧めているものがあります。例えば、DENT.EX歯間ブラシは使用後の水洗いと乾燥を案内し、やわらか歯間ブラシは一本につき一回の使用を推奨しています。すべてを同じ交換間隔にする必要はありません。[5][6]
- 購入時に、再使用の可否と洗い方・保管方法を確認する。
- 再使用できる製品も、毛の乱れや軸の曲がりがないか確認する。
- 傷んだものを元に戻して使い続けず、交換する。
交換日は目安よりも、製品の指定と実際の状態を優先しましょう。歯間ケアを続けるには、使う時間だけでなく、清潔に保管して補充できる仕組みまで整えておくと便利です。
迷ったら歯科医院へ。購入前に整理したいこと

サイズが決まらない、特定の場所だけ入らない、使うと痛むといった場合は、道具を変え続ける前に歯科医院で相談しましょう。出血が続く場合や痛みがある場合は、無理に刺激を続けないことが大切です。出血だけで原因を決めつけたり、「悪い血を出せばよい」と考えたりしないでください。[8]
相談するときは、次の点を整理しておくと、道具選びや使い方を確認しやすくなります。
- 使っている製品名とサイズ。パッケージの写真でも確認できるようにする。
- 使いにくい場所と困りごと。「右の奥歯に届かない」など具体的に伝える。
- 出血や痛みがあるか、いつから気になっているか。
- 自宅で続けにくい理由。持ちにくさや準備の手間も相談する。
購入前には「使う場所」「サイズ」「持ち手の形」「再使用できるか」の四つを確認しましょう。大容量を買う前に、自分が使える道具を確かめると、買ったまま使わなくなることを減らせます。
フロスを併用する方は、使いやすさから選ぶフロスの比較記事や、Kirattで取り扱うフロアフロスの商品情報をご覧ください。取り扱い・在庫・販売価格は、ご希望の店舗に確認できます。
ホームケア用品はKiratt会員限定オンラインショップでも確認できます。購入には会員ログインが必要です。商品についての案内と、歯や歯ぐきの診断・治療は異なります。痛みや出血、道具の適合に不安がある場合の相談先は歯科医院です。
歯間ブラシについてよくある質問

Q. 毎日使わないといけませんか?
歯間清掃は1日1回が目安です。ただし、すべての場所を歯間ブラシで清掃するという意味ではありません。フロスも含め、自分の歯間に合う道具を組み合わせます。回数を増やすことより、合った道具で丁寧に清掃することを意識しましょう。[2]
Q. 一番細いサイズも入らない場合はどうすればよいですか?
無理に差し込まず、フロスを検討してください。どちらも使いにくい、同じ場所で痛むなどの場合は、歯科医院で確認します。「慣れるまで押す」という使い方は避けましょう。[3]
Q. フロスと歯間ブラシを、同じ場所に両方使う必要がありますか?
すべての場所で両方を使うと一律には決められません。歯間の広さや清掃したい部分に応じて選びます。道具を増やす前に、どこを何で清掃するか確認しましょう。[1]
Q. 太いサイズのほうが汚れを落とせますか?
太さだけで清掃のしやすさは決まりません。歯間に合わない太いブラシは、歯や歯ぐきを傷めるおそれがあります。無理なく動かせることを目安に、適切なサイズを確認してください。[4]
Q. 初めて使って血が出たら、やめたほうがよいですか?
歯ぐきに炎症がある場合などには出血することがありますが、原因は自分では判断できません。強く押し込む動きをやめ、出血が続く、痛む場合は使用を控えて歯科医院へ相談してください。血を出すことを目的に繰り返しこする必要はありません。[5][8]
参考資料
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯間部清掃(デンタルフロス・歯間ブラシ)」
- American Dental Association「Dental Floss/Interdental Cleaners」
- サンスター「歯間ブラシのサイズの選び方を教えてください。」
- ライオン「『システマ歯間用ブラシ』のサイズの選び方を教えてください。」
- 小林製薬「やわらか歯間ブラシ」製品情報・使用上の注意
- ライオン歯科材「DENT.EX 歯間ブラシ」
- サンスター「歯間ブラシの上手な使用方法を教えてください。」
- サンスター「歯間クリーナーを使用すると出血します。大丈夫ですか?」

小樽歯科衛生士専門学校 卒業
フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。
また歯科衛生士の新しい働き方として、個人のSNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士さんの応援やサポートをしている。
2023年3月〜歯科衛生士常駐のセルフホワイトニングサロン開業。
2023年3月〜Kiratt 札幌店にて独立。
・ホワイトニングサロンKiratt 札幌店 オーナー
・歯科衛生士歴5年目
・ホワイトニングコーディネーター資格あり

歯科医師歴 15年 / 日本歯科審美学会所属
「当サロンのホワイトニングは、歯や歯肉の健康状態を第一に考えた施術設計を行っています。安全性と効果の両立を監修の立場から確認しています。」
※ご本人の意向により、氏名・所属の一部を非公開としています。




