デンタルフロスの使い方|糸巻き・ホルダー型・奥歯のコツを解説

デンタルフロスの使い方|糸巻き・ホルダー型・奥歯のコツを解説

デンタルフロスの使い方で大切なのは、歯ぐきに勢いよく押し込まず、隣り合う2本の歯の側面をそれぞれ清掃することです。糸を歯間に通して抜くだけでは、歯面に残るプラークを十分に落とせないことがあります。

このページでは、指に巻くロールタイプと持ち手付きのホルダータイプに分け、準備から奥歯のコツ、引っかかったときの対応まで説明します。使っている製品の注意書きや、歯科医院で受けた個別の指導も確認しながら進めてください。

先に覚える3つのポイント

  1. 小さく前後に動かして、ゆっくり歯間を通す。
  2. 片方の歯に沿わせた後、向かい側の歯も清掃する。
  3. ロールタイプは次の歯間へ移る前に、清潔な糸の部分へ送る。
歯科衛生士 山崎明日海

📝 本記事 監修

歯科衛生士 山崎 明日海

やまざき あすみ

Kiratt札幌店オーナー 歯科衛生士歴5年目 ホワイトニングコーディネーター

小樽歯科衛生士専門学校卒業。フリーランスの歯科衛生士・ホワイトニングサロンオーナーとして独立。2023年3月にKiratt 札幌店をオープンし、歯科衛生士常駐のセルフホワイトニングサロンを運営。SNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士の応援・サポートも行っている。

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デンタルフロスを使う前の準備と頻度

デンタルフロスと鏡を用意するイメージ

1日1回、落ち着いてできる時間を決める

歯間清掃は1日1回が目安です。歯みがきの前でも後でも構いません。慌ただしい場面で急いで通すより、夜の歯みがきなど、落ち着いて取り組める時間を決めると続けやすくなります。[1]

必要なものは、フロス、鏡、手洗いできる環境です。指巻きの場合は爪先で歯ぐきを傷つけないようにし、初めてなら見やすい前歯から動きを確認しましょう。フロスの容器やカッターは、お子さまの手が届かない場所で管理してください。

ロールタイプは40〜50cm程度を目安に用意

短く切りすぎると、指に巻く分や、清潔な部分へ送る余裕がなくなります。40〜50cm程度を目安に切り、使う製品の案内に合わせます。フロアフロスもメーカーが40〜50cm程度を案内しています。[2][4]

ブリッジ、矯正装置、インプラントの周りなどは、通常の通し方が合わない場合があります。器具の下へ無理に押し込まず、歯科医院で専用の道具や方法を確認してください。

ロールタイプのデンタルフロスの使い方

卓上のフロアフロス250mの横で、両手に糸を持って準備するスタッフのイメージ

STEP 1|両手の中指に巻き、操作する糸を短く張る

糸を両手の中指に巻き、親指や人差し指で支えます。歯間に入れる部分は、指先の間を1〜2cm程度にすると細かい動きを調整しやすくなります。中指を締め付けすぎず、糸を送れる程度に保持してください。[9]

両手を大きく離して長い糸のまま動かすと、力や位置を調整しにくくなります。うまく通せないときは、押す力よりも、まず支える指の間隔を確認しましょう。

STEP 2|歯が接する部分を、少しずつ通過する

鏡を見て歯間に糸を当て、小さく前後に動かしながらゆっくり通します。歯と歯が接する狭い部分で力をためて、一気に下へ落とさないようにしてください。勢いよく歯ぐきに当てる動きは避けます。

STEP 3|片方の歯にC字状に沿わせる

接触点を通過したら、糸を片方の歯の側面に沿わせます。歯を包むようなC字の形を意識し、歯と歯ぐきの境目付近までやさしく沿わせて、歯面に当てたまま上下に動かします。深いところへ力で押し込む必要はありません。[3]

STEP 4|向かい合うもう片方の歯も清掃する

同じ歯間の中で、糸を隣の歯の側面へ移します。こちらも歯に沿わせ、上下に動かして清掃してください。1つの歯間には、清掃する歯の面が2つあります。どちらか片方だけで終わらせないことがポイントです。

STEP 5|ゆっくり抜き、清潔な部分に送る

清掃が終わったら、小さく前後に動かしながらゆっくり抜きます。次の歯間では、一方の指から糸を送り、もう一方に巻き取って、まだ使っていない部分で清掃しましょう。使い終わった糸は廃棄します。[4]

右上から順に進めるなど、自分なりの順番を決めると飛ばし忘れを減らせます。前歯だけで終了せず、奥歯や最後の歯の後ろ側も、無理なく届く範囲で清掃してください。

通すときと、清掃するときは動きが違います
接触点を通るときは小さく前後に。歯面を清掃するときは歯に沿わせて上下に動かします。歯ぐきを糸で左右にこすり続ける動きにならないようにしましょう。

ホルダータイプの使い方|F字型・Y字型

持ち手付きのデンタルフロスを使う準備のイメージ

持ち手付きのフロスは、指巻きの準備が不要です。F字型やY字型などの形がありますが、どのタイプでも歯ぐきに押し付けるのではなく、歯面に糸を当てて動かします。

  1. 持ち手を安定させる:糸を入れたい歯間に向け、無理なく操作できる位置で持ちます。
  2. ゆっくり通す:糸を小さく前後に動かし、接触点を通過させます。
  3. 片側ずつ歯に寄せる:一方の歯の側面に糸を寄せて上下に動かし、その後もう片方も清掃します。
  4. ゆっくり抜く:抜くときも小さく動かし、勢いをつけません。

糸が持ち手に固定されていても、歯間の中央を上下するだけでは歯面に当たりにくいことがあります。軽く歯の側面へ寄せる意識を持ちましょう。奥歯ではY字型の向きが使いやすい場合があります。[5]

再使用できるかは、製品ごとに確認する

ホルダータイプには、使い捨てのものと、メーカーが洗って繰り返し使用できると案内しているものがあります。「Y字だから再使用できる」とは判断せず、パッケージの使用方法を確認してください。[5][8]

洗浄・保管・交換の指示に従い、糸がほつれたり傷んだりしたものは使い続けないようにします。使用したフロスを家族と共用することも避けましょう。

奥歯にフロスができないときのコツ

Y字型フロスと手鏡を手にして歯間ケアの準備をする女性

場所に合わせて支える指を変える

清掃する場所支え方・動かし方の目安
上の前歯片手の親指と反対側の人差し指で糸を支え、上向きに操作する
上の奥歯両手の人差し指で短く張った部分を支え、歯間へ導く
下の歯両手の人差し指で支え、下向きの動きを小さく調整する

持ち方は、口の大きさや指の動かしやすさに合わせて調整します。操作する糸が長くたるんでいないか、片方の指が歯の内側に入っているかを確かめてみてください。[9]

口を大きく開けすぎない

「奥まで入れたい」と口を大きく開け続けると、頬が張って指を動かしにくい場合があります。少し力を抜き、片側ずつ見やすい姿勢に調整しましょう。のぞき込むために無理な姿勢をとるより、鏡や照明の位置を変える方法もあります。

手が届かないときはY字型を検討する

指巻きで奥歯へ届かない場合は、Y字型などの持ち手付き製品を試す選択肢があります。道具を変えても同じ部位だけ通らない場合や、詰め物の周りで毎回止まる場合は、力で解決せず歯科医院で確認してください。

一番奥の歯は、隣の歯との間だけでなく、後ろ側の面も清掃の対象です。届く範囲で歯に沿わせ、難しい場合は道具を持参して歯科医師・歯科衛生士に手の動きを見てもらいましょう。[3]

出血・引っかかり・切れたときの対応

Kirattのフロアフロス紹介ページをスマートフォンで確認する女性と250m本体

血が出る場合は、力加減と歯ぐきの状態を確認

出血は、歯ぐきの炎症や強い力など、複数の原因で起こることがあります。「血が出たからすべて間違い」とも、「使い始めだから放置してよい」とも一律には判断できません。

まず、勢いよく糸を押し込んでいないかを見直してください。出血が続く、痛みや腫れがある場合は歯科医院で相談しましょう。多い出血や強い痛みなど、気になる異常がある場合は無理にその場所を刺激せず、早めに診てもらってください。[6]

糸が引っかかる・切れる場合は、強く引かない

同じ場所で繰り返し引っかかる場合には、歯や詰め物の状態が関係することもあります。見た目やフロスだけで原因を決めず、歯科医院で確認してください。[7]

ロールタイプが抜けにくくなったら、無理に上へ引き上げず、片方の指から糸を外し、糸の端を口の前側へゆっくり引き抜く方法があります。痛みや強い抵抗がある場合は中止してください。ホルダータイプも、無理に引っ張らず、取れなければ歯科医院に相談します。[9]

切れた糸が残って取れないときは、針などの尖ったものを歯間や歯ぐきに入れないでください。何度も押し込んで取ろうとせず、歯科医院に取り除いてもらいましょう。

においが気になる場合と、「臭い玉」は分けて考える

使用後のフロスのにおいだけで、むし歯や歯周病を診断することはできません。いつも同じ場所が強くにおう、痛みや出血を伴う場合は、歯科医院で相談してください。

また、喉の扁桃にできる、いわゆる「臭い玉」は歯間の汚れとは別のものです。フロスを喉に入れて取り除こうとしないでください。喉の違和感が続く、痛みや飲み込みにくさがある場合は、耳鼻咽喉科で相談しましょう。[10]

デンタルフロスの使い方に関するよくある質問

デンタルフロスの使い方を確認するイメージ
Q. フロスは歯みがきの前と後、どちらがよいですか?

前後どちらでも構いません。使い忘れにくく、丁寧にできる順番を決めましょう。フロスを使ったからといって、歯ブラシでの清掃を省くわけではありません。

Q. 毎日何回使えばよいですか?やりすぎはありますか?

目安は1日1回です。回数だけで「やりすぎ」と決めるより、強く押し込む、歯ぐきを何度もこするといった動きを避けることが大切です。食後に気になる場合も無理な力をかけず、個別の頻度は歯科医院で相談してください。

Q. デンタルフロスを使うと隙間が広がりますか?

歯間を広げるために使うものではありません。歯ぐきを押し下げるように力をかけず、歯の面に沿わせてください。隙間の見え方が変わったときは、自己判断せず歯ぐきの状態を歯科医院で確認しましょう。

Q. 歯間ブラシやジェットウォッシャーがあればフロスは不要ですか?

道具によって得意な場所や操作方法が異なります。歯間の隙間、装置の有無、手の動かしやすさに合わせて選ぶため、一律に置き換えられるとは限りません。自分の口に合う組み合わせを歯科医院で相談してください。

Q. 子どものフロスは大人と同じように使ってよいですか?

お子さまの歯並びや発達に合わせ、保護者が安全に扱える道具で行います。歯ぐきに強く当てないことは共通ですが、持ち方や仕上げの姿勢は歯科医院で確認してください。

Q. フロアフロスの使い方を動画で見られますか?

Kirattのフロアフロス紹介ページに、使い方の説明とメーカー動画を掲載しています。フロアフロスの使い方動画はこちらから確認できます。動画を見ても難しい場所は、無理に操作を続けず歯科医院で相談しましょう。

毎日の歯間ケアを続けながら、歯の色も相談する

お客様に向き合い、フロアフロス45mと250mを紹介するスタッフの相談イメージ

毎日のフロスは、歯ブラシが届きにくいところを補うホームケアです。歯そのものを漂白するものではありません。歯間を清潔に保つ習慣に加えて、黄ばみや歯の色も気になる方は、Kirattでホワイトニングのメニューをご相談いただけます。

Kirattではフロアフロスを推奨・取り扱いしています。商品の購入や在庫についてはご希望の店舗へお問い合わせください。歯科衛生士への相談を希望される場合は、対応できる店舗・日時を事前にご確認いただくとスムーズです。

サロンでの相談は歯科診療の代わりではありません。痛み・腫れ・続く出血がある場合は、ホワイトニングの前に歯科医院で診査を受けてください。

デンタルフロスの必要性・種類・歯間ブラシとの違いも確認する

参考資料

  1. American Dental Association「Dental Floss/Interdental Cleaners」
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯間部清掃(デンタルフロス・歯間ブラシ)」
  3. MouthHealthy(ADA)「Flossing」
  4. フロアフロス公式「使い方」
  5. ライオン「クリニカアドバンテージ デンタルフロスY字タイプ」
  6. サンスター「歯間クリーナーを使用すると出血します。大丈夫ですか?」
  7. サンスター「フロスが引っかかるようになったときは?」
  8. 小林製薬「糸ようじ」使用方法・注意
  9. サンスター「歯間クリーナーの使い方」
  10. NHS Devon「Tonsil stones(Tonsilloliths)」

ブログ監修:山崎 明日海

ブログ監修:山崎 明日海(やまざき あすみ)

小樽歯科衛生士専門学校 卒業

フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。

また歯科衛生士の新しい働き方として、個人のSNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士さんの応援やサポートをしている。

2023年3月〜歯科衛生士常駐のセルフホワイトニングサロン開業。

2023年3月〜Kiratt 札幌店にて独立。

 

・ホワイトニングサロンKiratt 札幌店 オーナー
・歯科衛生士歴5年目
・ホワイトニングコーディネーター資格あり

ホワイトニングサロンKiratt 監修歯科医師

Kiratt 監修歯科医師 K.S(一般歯科・審美歯科)

歯科医師歴 15年 / 日本歯科審美学会所属

「当サロンのホワイトニングは、歯や歯肉の健康状態を第一に考えた施術設計を行っています。安全性と効果の両立を監修の立場から確認しています。」
※ご本人の意向により、氏名・所属の一部を非公開としています。