口臭の原因の3つの成分と口臭予防方法

口臭の3つの成分と予防方法

口臭は、人とのコミュニケーションが円滑になり、今の健康状態を把握できるバロメーターです。

この記事では口臭が私たちに与える影響と意味、そして口臭の原因である3つの成分、そして口臭予防についてもご紹介していきます。

口臭予防することは精神的・身体的・社交的に大きなメリットをもたらします。

この記事を読んで口臭対策の一歩を踏み出しましょう。

口臭の影響と意味

誰にでもある口臭が私たちに与える影響や、口臭が存在する意味についてまとめました。口臭の影響と意味を知って口臭予防につなげていきましょう。

口臭の影響

口臭が私たちに与える影響は以下の3つが考えられます。

  1. 社交的な場面での影響
  2. 自己意識への影響
  3. 人間関係の影響

上記の3つの影響からも分かるように、口臭は私たちが誰かと接する場面で大きな影響を及ぼします。

自分が口臭を気にするあまり、他人との近距離の接触や会話が難しくなり、相手に自分の口臭が気付かれてしまうのではと不安に思い、コミュニケーションにも影響を及ぼす場合があります。

日本人は欧米人と比べると人と近距離で接する機会が少ないため(ハグなど)、自分の発する臭いに対しての意識が薄いという評価があります。

とはいえ、あまり自分の臭いを気にしすぎるのもよくありません。第三者が気にしていないのに、自分の口臭を気にする口臭症(口臭恐怖症)などもあるため、深く考えすぎずに適度な口臭予防を取り入れて自分の口臭と上手く付き合うのが望ましいですね。

口臭の意味

”口臭”という言葉の意味を簡単に説明すると、口臭とは口腔および呼気の嫌なにおいのこと(引用元:Wikipedia

口臭なんて存在しないほうがいいのでは?と思ってしまう方もいるかもしれませんが、口臭は生活習慣や健康状態の影響を受けるもので、自分の健康状態やケアの指標を表す役割をもっています。

口臭は消化器系やストレスの状態や口内環境が反映されやすい特性があります。

そのため、最近ちょっと口臭が気になるなと感じた場合は、今の自分の体調や口内環境と向き合うことを知らせてくれるサインともいえます。そのため口臭のサインを見逃さないことが大切になります。

口臭が気になり始めたら口内環境を整えて、ストレスや胃腸の調子、現在の生活習慣などを見直して健康的な生活を送ることを意識してみましょう。

口臭の主な3種類の成分

ここでは口臭について理解を深めるために口臭の原因となるものは何なのかをまとめてみました。


口の中の細菌がタンパク質を分解して口臭を発生させます。口臭の主な成分は、口腔内の細菌や食べカスが口腔組織を分解する際に生成される揮発性有機化合物(VOCs)です。

揮発性有機化合物は主に3種類からなり、口臭の主な原因となります。

  1. 硫化水素
  2. メチルメルカプタン
  3. ジメチルスルフィド

1 硫化水素(H2S)

口臭の原因の一つとして、硫化水素(H2S)が関与することがあります。硫化水素は、口腔内の細菌が食べカスやタンパク質を分解する際に生成される揮発性の化合物です。硫化水素自体が不快なにおいを持っており、腐敗した卵や腐敗物のような臭いを発します

2 メチルメルカプタン

硫黄を含む食品の消化中に生成される物質で、腐敗臭を持つ成分です。


口臭の原因の一つとして、メチルメルカプタン(Methyl Mercaptan)が関与することがあります。メチルメルカプタンは、硫黄を含む有機化合物であり、腐敗した野菜や肉、魚などの不快な臭いを持っています。

3 ジメチルスルフィド


口臭の原因の一つとして、ジメチルスルフィド(Dimethyl Sulfide)が関与することがあります。ジメチルスルフィドは、硫黄を含む有機化合物であり、魚や海産物の不快な臭いを持つことで知られています。

口臭の原因の3つの成分を増やさないことが大切

上記3つの成分に共通するのは、歯垢や食べかすなどが口腔内に滞留すると、これらの細菌が分解し、それぞれの成分を生成することがあります。そしてその生成された成分が口臭の原因となり、さらには歯肉の炎症や虫歯などの口腔内の細菌活動を促進してしまいます。

そのため、この成分が増える原因を認識し、あまり口腔内でこの成分が増加しないようにすることが口臭予防には大切となってきます。

口臭予防をしてお口の中も健康的に!

口臭の原因となる成分が分かったところで、私たちはどんな口臭予防に取り組めばいいのでしょうか。効果のある口臭予防を簡単にまとめました。

  1. 口腔ケア
  2. 健康的な食生活
  3. ストレスの軽減

1 口腔ケア

口腔内のケアは口臭対策には欠かせません。毎日の食後と寝る前の歯磨きはもちろんのこと、舌にできる舌苔のケアも行いましょう。

虫歯や歯周病なども口臭の原因となります。虫歯や歯周病は治療を優先し、歯垢や歯石の除去も定期的に歯科医院でのクリーニングをすることで口腔内の状態を保ち、歯科医師に口内の状態を診てもらい、口腔内の問題を早期発見することですぐに対応ができるので、定期的な歯科医院の受診は口腔ケアにとってはメリットが多いといえるでしょう。

2 健康的な食生活

においの強い食べ物も口臭には影響します。にんにく、ニラ、玉ねぎなどのにおいが強い食べ物は口臭となってにおいの原因となるため、人と会う場面などの口臭対策をしたい時には摂取を控えるようにすることで口臭予防となります。

さらに、喫煙やお酒も口臭の原因となります。どうしても喫煙したい場合は歯磨きをする、お酒も適度に制限するなど、自分に合った対策をしていきましょう。

3 ストレスの軽減

ストレスの軽減は口臭の予防するうえでも大切な要因のひとつです。

ストレスが増えることによって、唾液の減少、食生活の乱れ、睡眠不足、自律神経の乱れなどが生じて口臭が増える原因となります。

ストレスや緊張状態が続くと唾液の分泌が減り、口臭が気になるようになります。そのため、簡単にできる唾液マッサージを取り入れたり、リラックスする時間を意識的に確保することで、自律神経が整い、副交感神経が優位になることにより、唾液の分泌が増えて口臭予防へと繋がります。

このことから規則正しく健康的な生活を送ることが口臭予防に効果があります。ストレス社会の現代はなかなかストレスを溜めないようにするのは難しいですが、たまには自分のためにゆっくりする時間や趣味に没頭するなど、自分に合った気分転換を取り入れるなど無理のない範囲で取り組んでみましょう。

口臭予防には歯磨きなど口腔内をキレイに保つことが大切ですが、唾液もお口の中をキレイにする自浄作用がありますので、唾液を増やすことで口臭予防の効果が期待できます。

唾液の増やし方について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

まとめ:歯磨きで口内をキレイに保ち健康的に過ごすのが大切

口臭対策としては、歯磨きやフロスによる歯の清掃、舌ブラシによる舌の清掃、定期的な歯科医の診察が重要です。歯磨きや定期的な検診で口腔内の細菌数を減少させ、硫化水素の生成を抑制することができます。

また、健康的な食事や十分な水分摂取も口臭の予防に役立ちます。

今回紹介した口臭対策以外にもタブレットや口臭用スプレーなども一時的な効果はありますが、根本的な対策にはなりません。口臭は口腔内ケアや生活習慣が現れやすいため、対策を継続することが大切です。

精神的・身体的・社交的に大きな影響を及ぼす口臭ですが、自分の今の健康状態を知らせるサインということを認識し、健康的に過ごしましょう。

監修:山辺 彩香

石川県歯科衛生士専門学校卒業

フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。

また歯科衛生士の新しい働き方として、個人のSNSを起点に、キャリアアップを目指す歯科衛生士さんの応援やサポートをしている。

2022年2月〜Kiratt広報としてオーラルケア知識などのYoutube配信と広報活動。

2022年5月〜Kiratt 金沢鞍月店にて独立。