ドライマウス(口腔乾燥症)はなぜ危険?原因とその対処法を解説
ドライマウス(口腔乾燥症)とは様々な原因で唾液の分泌が減少し、口の中が常に乾いてしまう病気です。
ただ唾液が少なるだけでしょ?と油断している方は考えを改め直してください。
唾液が少なくなると自分では感じとれない健康へのリスクが高まってしまいます。
さらに怖いのは「ドライマウス」は誰にでも起こりえる病気だということ。
そこで今回はドライマウスが引き起こすリスクとその対処法について解説していきます。
ドライマウスが引き起こすリスク
①口内環境が悪化し虫歯になりやすくなる
口内の唾液が少なくなると、歯を守る力が弱まり虫歯になりやすくなります!
それはなぜか。
食べ物を口にすると、歯の表面の虫歯菌が食べカスを分解して酸を出します。この酸で歯が溶けると虫歯になります。
唾液にはそんな虫歯の原因となる酸を無効にする中和機能や、初期の虫歯を治す再石灰化機能があります。
また唾液はお口の細菌や食べカスを洗い流すこともしてくれます。
自浄作用や洗浄作用とも呼び、寝ている間も絶えず食べカスや汚れを洗いながす手助けをしているのです。
そんな唾液の分泌が減ってしまうと、いくら歯磨きを頑張って虫歯の予防をしても、歯が次から次へと虫歯になってしまいます。
虫歯が酷くなると最悪の場合歯を抜くことになります。
8020運動を筆頭に歯の本数をキープすることが健康寿命と深い関係があるとされています。
それなのに唾液が少ないことが原因で歯を失いたくはないですよね。
80歳になっても自分の歯を20本以上保とうという運動のこと。
平成元年に厚生労働省と日本歯科医師会が提唱し、自治体・各種団体・企業など、広く国民に呼びかけている。
②口臭がきつくなる
唾液が減少することで口臭がきつくなることがあります。
これは唾液自体に抗菌機能が含まれているため唾液が少なくなることで口臭の原因となる細菌が繁殖しやすくなるからです。
一般的に朝起きた時が一番口臭がきついとされていますが、それは寝ている間はほとんど唾液が分泌されないためです。
ドライマウスの方は常に朝起きたばかりの口臭が続いてしまうことになります。
さらに唾液が少ないと自浄作用が働かないので舌に汚れが付着しやすくなります。
舌に付いた汚れは舌苔といいますが、舌苔があると食べものや汚れがさらに付きやすくなり、それを栄養とする細菌やカビも繁殖します。
つまりドライマウスになると口臭は悪化していく一方なのです。
口臭がきついと対人関係などにも支障をきたします。
なかなか自分の臭いには気づけないものですが、本人が思っている以上に周りは気になっているものです。
ドライマウスをただ唾液が少ないだけと侮っていると、大変なことになりますね。
③窒息や肺炎などの命の危険がある
虫歯になったり口臭がきつくなるくらい大したことないよ、と思う方もいるかもしれません。
そんな方でも命の危険があると言われたらさすがに無視できないんじゃないですか?
高齢の方が餅をのどに詰まらせ窒息死してしまう事件。ニュースなどで聞いたことはありませんか?
高齢で飲み込む力が弱いも理由の一つですが、もう1つの大きな理由は高齢者は唾液の分泌が少ないからなのです。
口の中のものを飲み込むためには唾液の力が必要不可欠なのです。皆さんが思っている以上に、唾液がないと食べ物を飲み込むことは困難です。
危険なのは窒息だけではありません、肺炎にも注意が必要です。
唾液が少ない状態で無理やり飲み込もうとすると、誤って気管に食べ物が入ってしまう確率が高まります。
これを誤えんと呼び、そこから引き起こされる肺炎を「誤えん性肺炎」と呼びます。
さらに唾液が少ないと抗菌機能が減るので口の中で細菌が増えます。
そうすると、ますます誤えん性肺炎のリスクや肺炎自体を悪化させてしまうリスクが高まるのです。
ただ口の中が乾燥するだけと侮るなかれ。
ドライマウスは、特に高齢の方にとってはダイレクトに命の危険に関係してくる病気なのです。
ドライマウスの原因
ドライマウスは高齢の方の病気と勘違いしている方がたまにいます。
確かに加齢によって唾液腺が委縮して唾液の分泌が減少するのは事実です。
しかし10代や20代の若い方でもドライマウスになってしまう可能性はあります。
ドライマウスの原因のほとんどが生活習慣から引き起こされるものだからです。
- 喫煙
- アルコールの飲みすぎ
- 睡眠不足
- 運動不足
- 過度のストレス
- 食事中よく噛まない
上記に当てはまる方は要注意です!
ドライマウスを改善するには
ドライマウスを改善するには生活習慣の改善が必須です。
また自ら意識して唾液の分泌量を増やしてあげる必要があります。
唾液をたっぷりと出す方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください↓
【梅干しだけじゃない!】唾液をたっぷりと出すために最適な食べ物とは
まとめ
ドライマウスになってしまうと健康へのリスクが高まります。
また生活習慣が乱れると唾液は少なくなります。
唾液の分泌量はあなたの生活習慣を映し出す鏡と言っていいでしょう。
口の中が渇いていないか、常に意識して生活習慣を見直すことが大事です!
小樽歯科衛生士専門学校卒業
フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。
2023.3〜歯科衛生士常駐のセルフホワイトニングサロン開業
・ホワイトニングサロンKiratt札幌店オーナー
・歯科衛生士歴3年目
・ホワイトニングコーディネーター資格あり