自分に合ったおすすめの歯ブラシの選び方を歯科衛生士が徹底解説!
皆さんは歯ブラシをどのような基準で選びますか?
ドラックストアで購入される方や、ネットで購入する方、歯医者さんで購入する方など歯ブラシの購入先は様々だと思います。
現在、歯ブラシはたくさんの種類が販売されていますよね。数が多すぎてどの歯ブラシがいいのかわからない方が多いと思います。
そんな時、歯ブラシは何でもいいと思って、適当なものを選んでしまってはいませんか?
あなたが今使用している歯ブラシは本当に自分のお口の状態に合っているでしょうか?
歯ブラシは、口内の清潔さを保つために非常に重要なアイテムです。
歯磨きは毎日することですので、当然歯ブラシは毎日使うものです。
その毎日使うものを自分に合っていない適当な歯ブラシを使用していたとすれば、せっかく毎日歯磨きをしていても、きちんと汚れが落とせていない可能性があります。
もちろん『歯の磨き方』がとても重要になってきますが、『何を使うか』も実は重要なのです。
この記事では、自分に合ったおすすめな歯ブラシの見つけ方を歯科衛生士の私が徹底解説していきます。
ぜひこちらを参考にして自分に合った歯ブラシを選びましょう!
歯ブラシの特徴
歯ブラシの毛の硬さ
たくさんの歯ブラシが売られている中、『歯ブラシの硬さ』については知っている方が多いと思います。
歯ブラシの硬さには主に、・やわらかめ・ふつう・硬め があります。
人それぞれもちろん好みがあるはずです。しかし、それぞれの硬さにもしっかりと向いている方と向いていない方の特徴があるのです。そちらについて説明していきます。
やわらかめ
まず、やわらかめの歯ブラシが向いている方とは、歯茎が腫れていたり、歯ぐきから出血しやすいなど、歯ぐきに炎症がある方です。普通の歯ブラシだと歯磨きをするときに痛みを感じてしまうなどの場合は、歯ぐきが炎症を起こしている可能性が高いため、やわらかめの歯ブラシの使用をおすすめします。
歯ぐきが炎症を起こしているときは、やわらかめの歯ブラシで優しく磨いてあげましょう。
ただ、やわらかめの歯ブラシを使用するときの注意点は、ふつうや硬めの歯ブラシと比べて汚れを落とす効率が劣っていることです。やわらかい分、歯垢といった歯についている汚れを落とすにはより丁寧な歯磨きをする必要があります。
時間をかけて優しく、歯ぐきの近くまで丁寧なブラッシングを心がけましょう。
ふつう
一般的に、健康な歯と歯茎などお口の中に異常がない場合は大体の方はふつうの歯ブラシで十分です。
適度な硬さなため、大人から子供まで扱いやすく、効率よく汚れを落とすことができます。
歯磨きの時に出血もなく、痛みもなく、重度の歯周病などの心配もない場合は、普通の歯ブラシを選んでいただくのがおすすめです。
自分の歯や歯茎が問題ないかどうかを自分で判断をすることが難しい場合は、歯医者さんの歯科検診にて聞いてみることが一番です。
その歯科検診で特に問題がない場合は、ふつうの硬さの歯ブラシの使用がいいと思います。
硬め
やわらかめやふつうの歯ブラシだと磨いた気にならなく、硬めの歯ブラシを好まれる方もいると思います。
もちろん、硬めの歯ブラシは一番汚れを落とす効率が良いです。なのでしっかり汚れを落とすことはできますが、ここで注意していただきたいポイントがいくつかあります。
それは、歯や歯茎を傷つけてしまう可能性があることです。硬めの歯ブラシで力強くゴシゴシと磨いてしまうと、歯の表面が削れてしまうことがあるのです。
それによって知覚過敏になりやすくなってしまったり、逆に歯ぐきを下げてしまいます。
一度削れた歯はもう元には戻りません。ですので、毎日一生懸命していた歯磨きが、逆に歯にとって悪影響になる可能性があるということを理解しましょう。
今、硬めの歯ブラシを使用している方で、なんとなく硬めを選んでいる場合は、ふつうの歯ブラシに変えていただくことをおすすめします。
基本的に硬めの歯ブラシはご高齢の方など、あまり手に力が入りにくいという方にはおすすめです。
歯ブラシのヘッドの大きさ
歯ブラシのヘッドの大きさは様々なものがあります。
基本的に磨き残ししやすい箇所として、奥歯が挙げられます。歯磨きをするときにしっかりと奥まで歯ブラシが届いていなければ磨き残しになり、そこが細菌の溜まり場となり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
奥歯を磨きたいときに、自分のお口の中の大きさに対して歯ブラシのヘッドが大きすぎる場合、奥まで歯ブラシが届いていない可能性が高いです。
特に、子供や女性の場合はお口の中が小さめなことが多いため、コンパクトヘッドの歯ブラシを選ぶことがおすすめです。
ただし、ヘッドが小さい歯ブラシは一度に当たる面積が狭いため、時間をかけて丁寧なブラッシングが必要になります。
一方ヘッドが大きい歯ブラシは、一度に当たる面積が大きいため、高齢者の方や歯ブラシを細かく動かすことが苦手な方や、時間がないときにささっと磨く分にはいいかもしれません。
ヘッドが大きいと、細かいところまでしっかり磨くことが難しいため、しっかり丁寧に歯磨きをしたい方はやはりコンパクトヘッドのものがおすすめです。
ヘッドの大きさは上の前歯2本分を目安にするといいです。
最近では、極薄ヘッドなど、歯ブラシのヘッドの大きさだけでなく、厚みも様々ですので、自分のお口のサイズに合った歯ブラシを選びましょう。
歯ブラシの毛先の形態
毛先の形態には(ラウンドカット毛)と言われる、毛先を丸く加工したものと、(テーパード毛)と言われる、毛先が細くなっているものがあります。
ラウンドカット毛は、毛先が丸いため歯ぐきを傷つけにくく、歯の表面の汚れを効率よく落とすことができます。そのため、健康な歯や歯茎の方や、虫歯予防をしたい方はラウンドカット毛の歯ブラシを選ばれるのが良いでしょう。
一方テーパード毛は、歯と歯の間や歯と歯茎の境目に毛先が届きやすく、歯や歯茎への刺激が少ないメリットがあります。
歯周病ケアをしたい方や優しい磨き心地が好みの方はテーパード毛を選ばれるのがおすすめです。
電動歯ブラシか手用歯ブラシか
歯ブラシには電動歯ブラシと手動歯ブラシがあり、それぞれ特徴やメリットが異なります。
電動歯ブラシ
特徴
電動歯ブラシは、高速に振動させたブラシを歯に軽く当てるだけで効率よく磨くことができ、手磨きよりも歯を磨く時間がかかりません。
手用歯ブラシよりも歯垢や汚れを効率的に捉えることができます。
また、歯を磨くときに手を動かす必要がないため、手が疲れにくいです。
モデルによっては、タイマーや圧力センサーなどの機能が付いている場合があり、正しいブラッシングをサポートすることができます。
中には、ホワイトニングモードや舌クリーニングモードなど、手磨きにはない機能を搭載したモデルなどもあります。
電動歯ブラシは、手動でブラッシングするのが難しい箇所(例:奥歯や矯正装置)にも届きやすく、より効率的に綺麗なブラッシングができるため、お口の隅々までしっかり汚れを落としたい方や、歯磨き以外の効果も期待したい方にはおすすめです。
電動歯ブラシには大きく分けて、(振動式、回転式、音波式、超音波式)などがあります。
メリット
歯垢や汚れをより効率的に除去できる。
高速でブラシヘッドが振動するため、手動歯ブラシよりも短時間で歯磨きを終えることができる。
電動歯ブラシの場合、ブラシヘッドを交換することで、使い捨て歯ブラシよりも環境にも優しく、長い目で見るとコスパがいいこともある。
デメリット
電動歯ブラシは、手動歯ブラシよりも高価な場合がある。
充電や電池交換が必要になる。
ブラシヘッドが高速で振動するため、正しい使い方ができないと逆に磨けていなかったり、歯ぐきを下げる原因にもなる場合がある。
手用歯ブラシ
特徴
自分の手で磨くので、微妙な力や動かし方のコントロールがしやすいです。
また、大きさや毛先の形・固さなど種類も多く、価格も安いため、自分に合ったものを手軽に探したり試したりすることができます種類も多く、価格も安いため、自分に合ったものを手軽に探したり試したりすることができる手軽さも特徴です。
メリット
どこでも手に入りやすい。
電動歯ブラシなどに比べて安価。
大きさや毛先の形・固さなど、自分に合ったものを探すことができる。
力加減や動かし方のコントロールがしやすい。
デメリット
電動歯ブラシに比べて丁寧に磨くとなると、時間がかかる。
正しいブラッシング方法を身につける必要がある。
力が強すぎてしまうと歯や歯茎を傷つけてしまう可能性がある。
電動歯ブラシと手用歯ブラシの特徴やメリット、デメリットを踏まえたうえで、 どちらのタイプの歯ブラシを使用するかは、個人の好みや状況によって異なるため、自分に合った歯ブラシを選ぶことが大切です。
まとめ
自分に合った歯ブラシを選ぶためには、自分の今のお口の中の状態を把握していることが大切です。
そのため、歯医者さんでの定期的な歯科検診はとても大切になってきます。
プロの歯科医師や歯科衛生士さんにお口の中をチェックしてもらい、今のお口の中の状態に合った歯ブラシを(処方)していただくことが一番確実と言えるでしょう。
歯磨きは毎日することですので、その歯ブラシ選びは適当ではなく、しっかりと自分に合ったものを選ぶことができるように今回のポイントについて意識をして選んでみてください。
小樽歯科衛生士専門学校卒業
フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。
2023.3〜歯科衛生士常駐のセルフホワイトニングサロン開業
・ホワイトニングサロンKiratt札幌店オーナー
・歯科衛生士歴3年目
・ホワイトニングコーディネーター資格あり