結納ってどんなことをするの?正式結納と略式結納の違いと流れを簡単に解説

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2人の結婚の意思が固まり、両親に結婚の報告の挨拶の次に決めることは『結納の有無』です。

最近は、結納を省略する人も多いですが、家によっては伝統行事を大切に考えている人もいます。

結納を迷っている時に「結納ってどんなことするのか知りたい」「当日の流れなどを事前に知りたい」と、疑問を抱えていませんか。

この記事では、結納はどのようなことをするのか、日程や結納の当日までの流れなどを分かりやすく解説します。

結納で後悔することがないように、この記事を参考にしてみてください。

結納ってどんなことするの?

『結納』は結婚が決まった2人が、自分たちの結婚する意思を公にする儀式です。家と家を結び、正式に結婚を約束することを指します。

結納の起源は4世紀から5世紀頃とされており、仁徳天皇の皇太子が結婚した時に贈り物をしたことが始まりと言われている伝統的な行事です。

以前は、仲人を立てて行うことが一般的でしたが、最近は仲人を立てず、2人と両家の両親が出席して行う傾向が多い傾向にあります。

結納は、新郎側から新婦側に誠意や感謝の気持ちを込めて品物を贈るのが一般的です。

できるだけ豪華にする時代もありましたが、時代とともに結納も少しずつ変化しています。

そのため、最近では結納を行わずに顔合わせの食事会だけという考えの人も増えています。

結納を行うことで家族同士の絆を深め、信頼関係を築くきっかけにもなり、伝統を重視する人にとっては、大切な行事と言えるでしょう。

正式結納と略式結納の違い

結納には『正式結納』と『略式結納』の2種類があります。

それぞれ順番に解説します。

正式結納

正式結納は最も格式のある儀式で、仲人が仲介するため両家が直接顔を合わせないのが特徴です。

  • 仲人が男性宅に行き結納品を受け取る
  • 仲人が女性宅に行き、男性宅から預かった結納品を渡す。女性宅から受書(うけしょ)と結納品を受け取る
  • 再び男性宅に行き、女性宅から受け取った受書と結納品を渡し、男性宅から受書を受け取る。
  • 仲人は再び女性宅に行き、男性側からの受書を渡す。

酒肴料というお礼を渡すのがマナーとなっています。

仲人が何度も男性宅と女性宅を行き来する手間がかかり、遠方になると日数もかかるため、最近では簡略化する傾向にあります。

ただし、家によっては「正式結納がしたい」と考えている家もあるので、慎重に決めることが大切です。

略式結納

仲人を立てずに男性側が女性側の自宅を訪れ、金品を贈る場合や、ホテルやレストランで行う場合が多い傾向です。

最近はこの略式結納が多く、準備する負担が少なくて済むのが魅力です。

結納は場所や内容によっても多少変わりますが、金額では20万〜40万円ほどかかるとされています。結納にお金をあまり使わずに結婚式や新生活にお金を使いたいと考える人も増えています。

略式結納を2人が望む場合は、両親がそれで納得するかをしっかり確認し、全員が納得した形で進めるようにしてみてください。

結納の日程について

結納の日程は、婚約者同士や両家の都合を考慮して決定します。通常、結納は婚約から数カ月後に行われる傾向にあります。

結納の日程は一般的には結婚式の3〜6カ月前に行われる場合が多いです。

また、日程は大安など縁起が良い日を選び、食事なども考慮し、午前中に行うことが好まれます。

結納は様々な準備があるため、数カ月前までには結納の日程を決めると、時間に余裕があり安心です。

結納の準備物

結納にはどのようなものを準備すれば良いのでしょうか。

結納に必要なものは以下のものが挙げられます。

  • 結納品
  • 結納返し
  • 婚約記念品

それぞれ解説します。

結納品

現在は水引細工がセットになったものを使用します。品目は割り切れないように奇数で用意することが一般的です。

一般的には9品目とされることが多いですが、7品目や5品目、3品目などで行う場合もあります。

また、地域によっても様式が異なり、主に関東式と関西式の2種類があります。

どちらも5品目〜9品目が一般的ですが、目録を含めるか含めないかが大きな違いです。

結納品を一から全て用意するのは大変です。最近はブライダルサロンや、ホテルなどでは便利な『結納セット』を用意している場合があります。

結婚式や新居など決めることが多く、忙しい中で結納品を用意するのは時間と労力がかかるため、結納セットを利用することをおすすめします。

結納を検討する際に、結納セットの有無をあらかじめ確認しておくと安心です。

地域によって結納品の内容が変わるため、事前に結納品を確認しておくのが良いでしょう。

結納返し

結納返しは、男性側から受け取った結納品や金品に対してお返しをすることを指します。一方で、男性側から受け取った結納品より金額が上回らないように注意が必要です。

時計やスーツなどを贈る場合もあります。

また、結納返しは最近では簡略化されており、男性側からお金を渡しても、結納返しをすると金額が減るため、新生活に使って欲しいと、結納返しを不要とする家もあるようです。

結納返しは家によって考え方が違うため、柔軟に対応することが大切です。

結納の当日の流れ

結納の当日は、両家が集まり儀式を行いますが、通常、神前での祈祷や誓約が行われます。

その後、 新郎新婦や両家の代表者が、お互いに挨拶を交わし、贈り物を交換し、感謝の意を表す重要な役割があります。

儀式が終わると、宴席が始まり、家族や親族で和やかな雰囲気の中で食事や歓談を行いましょう。

結納は日本の伝統的な儀式であり、家族同士の絆を深める重要なイベントです。準備や手順を丁寧に行い、円満な結婚生活のスタートを切るために大切な儀式と言えるでしょう。

結納の当日の服装について

結納当日にはどのような服装を選択するのが良いのでしょうか。

服装は『正式結納』か『略式結納』どちらを行うかによって異なります。

それぞれ簡単に解説します。

正式結納の服装

女性(本人)は正式結納を行う場合は正装にあたる着物を選びましょう。

また、男性(本人)は女性に合わせて和装の『紋付袴』を選ぶのがおすすめです。

出席する人は、女性は『黒留袖』を着用し、男性は『モーニング』と呼ばれる服装が相応しいと言えます。

モーニングについて

日中に着用する正装の服装で、新郎新婦の父親や教職員が着用する服装のことを言います。

燕尾服の次に格式高い服装です。

略式結納

略式結納はフォーマルでもセミフォーマルでも構わないですが、出席者によって服装の格がバラバラなのは良くありません。事前に相談し、フォーマルなのかセミフォーマルなのかを決めておくと安心です。

最近では、気軽に出席できるカジュアルな服装が多い傾向にあります。カジュアルで出席する場合は、女性(本人)はなるべくワンピースを選びましょう。

ワンピースを選ぶ際には、膝下丈を選び肌の露出が少ないものを選ぶのがおすすめです。

出席者の母親はフォーマルスーツやワンピースを着用すれば問題ありません。

男性は濃紺やグレーのスーツ選びます。

当日はあまり派手なメイクや髪型は控え、なるべく清楚な印象を心がけましょう。

最近の結納事情

結納は両家の意向を確認してから結納を行うかを決めましょう。

最近では正式な結納だけでなく様々な形式があるため、家に応じた結納選びが重要です。

仲人を立てずに結納をする場合

最近は仲人を立てずに結納する場合が多い傾向にあります。

料亭やホテルで行うケースも多く、場所によっては結納セットなどを用意してくれるところもあります。結納には多くの準備物が必要なため、自分で全て用意するのは大変です。

結納セットがある場所を選んでおけば、時間も効率化でき、結婚に向けての準備など他の予定に当たられるため、忙しい人はぜひ利用してみましょう。

顔合わせ食事会

最近は、両家の両親に結婚の挨拶や報告を済ませたら、食事会を行い堅苦しい結納を省略する場合も多いようです。

特に参加者にきまりはなく、兄弟が出席し、お互いの家族を紹介し合い、親睦を深める時間にする人も増えています。

結納ほど堅苦しくなく、日程や場所を決めるだけで簡単に行えるため、忙しくあまり時間がとれない人には大きなメリットと言えるでしょう。

結納の有無は自分たちの意見はもちろんですが、お互いの両親の考えも尊重し、みんなが納得した形を選ぶようにすることが大切です。

結納当日に気をつけたい忌み(いみ)言葉

結納はおめでたい席のため、別れや繰り返しを連想させる言葉を使うのはマナー違反になるため、大切な日を乗り切るためにも覚えておきましょう。

結納当日に注意したい言葉は以下の通りです。

紹介した言葉は当日使わないように注意してみてください。

他にも、逃げる、去る、捨てる、時々、わざわざなど、日常で私たちが無意識に話している言葉が、おめでたい席では避けるべき言葉が多く存在します。

当日は余裕がなくなる可能性もあるため、あらかじめ忌み言葉を調べておき、自分が話す内容をある程度考えておくと安心でしょう。

万が一話してしまったとしても、よっぽどのことがない限り誠意を見せていれば、悪い印象を持たれる可能性は低いですが、社会人として最低限のマナーは知っておきたいところです。

まとめ

結納の内容や当日の流れなどを紹介しました。

結納は結婚を決めた2人が行う大切な伝統行事です。慣れないことで大変な部分もありますが、今後の両家の絆を結ぶ大切な時間になることは間違いありません。

結納を通して、より良い関係を築くきっかけになるでしょう。

大切な時間を家族とともに楽しんでください。